放送中、タイトルが二度も変った、とんでもない特撮番組、それが「スペクトルマン」だった。
番組当初のタイトルは「宇宙猿人ゴリ」である。惑星Eを追放された天才科学者ゴリは腹心の部下ラ―を伴い宇宙を放浪する。その最中、見つけた美しい惑星地球を気に入るが、人類が公害で星を汚染していることに憤り、怪獣を造りだして地球支配を目論む。
しかし、危険なゴリを監視していた遊星ネビュラがスペクトルマンを派遣してゴリの野望を阻止しようとする。日本では公害Gメンがゴリとの戦いを補佐する。ちなみにスペクトルマンに変身する蒲生は、この公害Gメンの一人である。遊星ネビュラの許可がないと変身できない不自由なヒーローでもある。
で、いったい誰が主人公なのさ?
間違いなく当初はゴリこそが主役であった。しかし、公害問題を扱っていたため、大昭和製紙などスャ塔Tー企業から苦情が入り、いつのまにやらタイトルは「宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン」に替わり、最後は「スペクトルマン」になっていた。
公害Gメンは、怪獣Gメンに替わっていたのには呆れた。どういう転職だよ。素直に怪獣Gメンになることを認めるメンバーも、メンバーである。普通、抗議すると思うぞ。とにかく、突っ込みどころ満載の番組であった。
このTV番組、オープニングソングはまったく覚えていない。でもエンディングソングである「私は宇宙猿人ゴリ」は大人になった今でも口ずさめる。この曲、カラオケで見つけたら是非とも3番までは歌って欲しい。最後まで堂々と歌えたら偉い!あたしゃ、3番の歌詞で吹きだしてしまい無理。絶対、笑えます。
なんだよ、身震いするほど腹が立つって。でもね、最終回はけっこう印象的だった。うろ覚えだが、最後は腹心ラーの死に衝撃を受けたゴリは、自らも死を選んだ。私としては、子供心にけっこう衝撃を受けた作品であった。
ちなみに、この特撮番組の漫画化は、一峰大二である。ストーリーも少し変わっていたと記憶している。私は一巻とニ巻は持っていたはずなのだが、どこかに仕舞い込んでしまって、今回は見つけられなかったのが残念である。
で、最後に一言。遊星ネビュラのお偉いさん、スペクトルマンを派遣してくれるのはありがたいけど、だったら最初っからゴリを捕まえとけよ。まァ、それだと番組が成立しないのだけどね。