どさくさに紛れて厭らしいことをしてくれる。
厚生年金の改正法が国会に上げられた。これまで501人以上であった基準を、51人以上にして厚生年金の強制加入を増やし、将来の年金財源の拡充を目指す改正案である。
別にマスコミに悪意があるとは思わないけど、いい加減記者クラブで官僚から手渡される資料の丸投げ報道は止めにしてもらいたいものだ。
まず第一に言っておくが、政府の説明のように将来国民年金だけでは不安なので、パートや非正規従業員にも厚生年金基金への加入を広げて欲しいとの要望が、まったくないとは私も言わない。
だが現在、パート労働などについている人は、現在の生活の足しに働いて家計の足しにしているのであって、厚生年金への加入は望んでいない。確実に手取りが減る厚生年金なんて真っ平だと考える人の方が多い。
また非正規従業員についてだが、これは正規の雇用契約を目指す人は多いが、非正規のまま厚生年金への加入を求める人は、あまり居ないというか、意味のないことだと思う。
はっきり言えば、今回の改正は現在経営危機になっていることが多い厚生年金基金への救済であり、同時に将来の国民年金の不安解消でもあるのが本音だと思う。
近年、厚生年金基金の解散等が相次でおり、国民年金に救済合併のような形での処理が数多くされている。ただでさえ年金財源の不足に怯える国民年金側が厚生労働省に強く働きかけたのが実情であろう。
云わば国民の為と言いつつ、実際は年金システムの現状維持を確保するための厚生労働省側の抵抗に過ぎない。彼らも分かっているのだろう。近い将来、国民年金も年金財源が枯渇して、国からの補助(消費税)頼りになることを。
そうなれば、厚生労働省管轄の年金機構は無駄な存在となり、天下り先を失くすことになる。財務省の監督下に入ることを断固避けたい厚生労働省の足掻きであり、それを中小企業に押し付けたのが今回の改正である。
つまるところ国民不在の改悪が本質だと思うが、それを知りつつ丸投げ報道するマスコミ様って何者?
安倍首相や菅官房長官の会見には、散々悪態突く癖に、官庁の記者クラブの大本営発表には粛々と従うマスコミ様って必要なの?
官僚のスキャンダルは喜んで報じる癖に、官僚が本来の仕事で国民を謀ることは放置なのかね、日本のマスコミ様はよ。
まァ新聞社やTV局のような大企業で働く記者様には、中小企業の苦悩など興味がないのが本音なのでしょうね。