ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

戦争と疫病

2020-04-24 13:09:00 | 社会・政治・一般

戦争と疫病は、ほぼ同時期に起こることが多い。

私は素人ながら歴史に対する関心は強い。だからこそ今の状況に、内心嫌なものを感じる。

ヨーロッパでは近代以降だが、さまざまな記録が資料として残されるようになった。これは紙の普及と、印刷技術の普及が大きく貢献している。他の文化圏、たとえばインドやシナでも記録はあるが、科学的精神に欠けているので、資料としては客観性に欠けるものが多い。

これは日本でも同じで、和紙という長く残る優秀な記録媒体があり、また日記好き、記録好きな国民性もあり、資料はかなり多いが、やはり科学的な精神に欠けている。

それでも分ることはある。それは古来、疫病は天災とされ、不思議と戦争と関連することが多いことだ。そして必ず人口の減少が起こる。

私は以前、疫病による大量死や、戦争による戦死者の増加が人口の減少を引き起こすと考えていたが、実は必ずしもその関連性は明白ではないらしい。

近世にあったパウンダー小氷河期の時代、食料は大幅減産し、戦乱、疫病と天災、人災が続いたにも関わらずヨーロッパは結果として人口を大幅に増やしている。

妙に思い調べてみると、人口の減少により社会階層が崩れ、混乱した欧州では商業革命や流通経路の変更などの大きな変化が起きて、それが却って新しい社会の建設につながり、結果として人口が爆発的に増えている。

また第一次、第二次世界大戦により大量の戦死者が出て人口は減っているが、戦後に起きたベビーブームにより結果的に人口は大幅に増加している。

どうやら人間という哺乳類は、疫病や戦争により死者が増えると不安になって、子作りに励むようなのだ。大量の死者と崩壊した社会が、むしろ新しい社会の建設を促進している観さえある。

ところで今回の新型コロナ肺炎の世界的な流行はどうなるだろうか。

今のところ報じられているのはシナ、アメリカ、日本、欧州である。しかし大人口を抱える東南アジア、アフリカ、中南米に関しては詳しく報じられていないので、情報は乏しいのが実情だ。

それでも確実に新型コロナ肺炎が広まっていることは予測できる。医療体制が不十分な国だと、かなりの死者が出る可能性は高い。その結果、人口の減少が起こり、社会不安が広まることは確実だ。

そしてその後に起こるのが、大量のベビーブームではないか。先進国ではあまり起きそうもないが、途上国では急激な人口増加が起こるのではないかと私は考えてしまう。

以前から書いてきたとおり、21世紀は食料、水、化石燃料を相争う戦乱の世紀となる可能性が高い。今回の新型コロナ肺炎がその口火となるのではないかと、私は嫌な予想をしてしまうのです。

この予想、外れて欲しいと切に願います。

コメント
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