ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

大本営発表

2021-06-24 11:58:00 | 社会・政治・一般

日本のマスコミ様は大本営発表が大好きだ。

官庁の記者クラブで配布される資料を手に、広報室での担当官僚からの解説をネタに記事を垂れ流すだけ。その実地検証もしないし、裏取りもしない。そんなことをして、記者クラブでハブられても困る。なにより出世コースである官庁の記者クラブの席を維持するためにも、余計なことはしない。

ただ官僚の主張を広報するだけに集中する。この悪習は、官庁や大企業相手の時だけだと思っていたら、他でもけっこうやらかしている。

その一例が、日本医師会である。

今回の新型コロナ禍により、日本の医療体制は崩壊寸前であると、散々危機感を煽りたてている日本医師会である。当初は医師会の会長自ら説明していたが、いつのまにやら引っ込んで、現在はウィルス疾患の専門研究家に会見を任せている。

ところで、国民一人あたりの病床数は世界屈指である日本の医療体制の危機とは何ぞや、である。

これは感染力の強い疾患を収用できる病院の危機である。当然であるが、一般の病院では、このような感染力の強い病気の患者を受け入れる体制が十分ではない。

第一、コロナ患者を受け入れてしまうと、風評被害により一般患者が逃げてします経営危機の問題がある。また隔離等の設備投資にかかる支出も馬鹿にできない重要な要因である。

一般の病院では受入が十分に出来ないとされるが、実際には兵庫の長尾医院を始め、医師が使命感からコロナ患者の診察、自宅訪問等を実践しているケースもある。だが、これは相当に大変なことで、医療従事者の保護、隔離体制の確保、そして自宅訪問医療と問題山積のなか頑張っている医師や看護師らには頭が本当に下がる。

しかし、厚生労働省はそのような民間医師の努力には冷淡で、ろくに補助金すら交付していない。せめて保険診療の点数加算ぐらいしろと思うが、平等を盾に知らぬ存ぜぬである。

そして多くの民間病院、診療所を守る日本医師会は、そのような努力は迷惑だと言わんばかりの態度であるように思えてならない。医は仁術というが、実際には経営問題でもあるので、コロナ診療を拒否する病院の気持ちは分かるが、それでも頑張る病院もある。

つまるところ、日本医師会の言うところの危機とは、大半の病院をコロナ禍に巻き込むなということなのかと、意地の悪い私などは考えてしまう。だからこそ、医師会会長は自ら広報をするのを止めて、専門の研究者に広報させているのではないか。

言っちゃなんだが、研究者なんて良い意味で専門バカだが、市井の病院の経営には無知だぞ。知らないからこそ、危機だ危機だと騒げるのだろうと私は邪推している。尾身氏をやたらと賛美しているマスコミも散見するが、実情が分かっているのかね。

私に言わせれば、民間の病院をコロナ禍対策に引き込めなかった厚生省の失策であり、その失策を報じず、官僚の用意した資料を横流しして済ませる大マスコミ様も共犯である。

でも、一部の記者は実際に奮闘する民間病院を取材し、報じているけど、何故だかその扱いは小さいぞ。

話が長くなるので簡単に書くが、民間病院が協力しないのは経営面だけではない。ここ十数年、厚生省の病院に対する様々な施策には失敗というか、ろくでもないものが多かった。当初は素直に応じていた病院も、今では不信感を隠せない。これは、私も痛いほどに良く分かる。

実際、私は顧問先の病院には厚生省の施策には応じないようにと指導しているくらいだからだ。霞が関のエリート様の机上のプランを強行しようとした結果と、その惨状は目を覆うばかりだからだ。

話を元に戻すが、大マスコミ様の記者でも地道に取材している方ならば、日本医師会や厚生省の言い分がおかしなこともわかるはず。でも、官庁の記者クラブ所属というエリートコースに乗っている記者様たちには敵わないらしい。

まだ結論を出すには早過ぎるけど、厚生省及び医師会の適切な対応があったならば、コロナ感染者及び死者はもっと抑えられたのではないか。私はそう考えています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする