今期のJリーグは、前代未聞の下克上。
J2落ちしていて、今期J1に復帰したばかりの柏レイソルが僅差で優勝したのである。地力優勝の可能性をもっていた名古屋グランパスと、大阪ガンバ以外のチームは恥を知るべきだ。
柏レイソルの戦いは賞賛に値するが、冷静に考えてみると、やはり外人助っ人頼りのチームであることも確かだ。とりわけレアンドロはMVPに値する活躍だったし、ジョルジワグネルの奮闘あっての優勝だと言ってもいい。
そして、なによりJ2落ち直前で監督に就任して、J2で選手を鍛え上げ、J1に復帰してからも一貫したチーム作りを貫いたネルシーニョ監督の功績こそ賞賛されるべきであろう。
要するに監督、選手ともに外人の助っ人あってのレイソルの優勝なのだ。これが今の日本プロ・サッカーリーグの実力であることを、しっかりと認識すべきだ。
ケネディ、グライトンといった外人選手の故障に泣いたグランパスや、外人の助っ人が上手く機能せず、また遠藤、二川らの故障に苦しんだガンバは奮闘したが、やはりレイソルには一歩及ばなかった。
三連覇を達成したアントラーズは、震災と放射能騒ぎでチームが落ち着かず、マルキーニョスの代わりとなるべき選手も獲得できず、あげくに監督更迭論まで出る始末。それでも負けずに引き分けに持ち込むあたり、王者の風格だと言えるが、今期はナビスコ杯の優勝のみ。オリベイラ監督の退任も決まり、新たなチーム作りが始まる。
J屈指の攻撃力を持ちながら優勝出来ない川崎フロンターレは、中心選手のジュニーニョの退団が決まり、中村憲剛のワンマンチームになりかねない危機にある。相馬監督の来期のチーム作りは難しいものとなる。
一方、よく頑張ったものだと思うのが仙台と新潟だろう。とりわけ震災の被害をもろに受けた仙台は、中位に留まるのが精一杯だったが、これは賞賛に値すると思う。
そして期待されながら失速したのがサンフレッチェ広島と浦和レッズだ。どちらも外国人監督の退任、更迭が決まっているが、私に言わせれば監督の望む補強もせずにシーズンを強行したフロントが悪い。
特にレッズのフロントの迷走は腹立たしい。私はこのチームを見ていると、悪い意味で野球の読売巨人軍を目指しているのかと勘ぐりたくなる。優秀な選手はそろっているし、過剰なほどに熱心なサメ[ターなど環境面でも恵まれている。
でも、なにかが不足している。レッズはレイソル同様J2落ちを経験しているが、今回のレイソルのようなひた向きさが足りない気がしてならない。もっと泥臭さや粘り強さが必要ではないか。だからこそ、レッズの戦いぶりには、物足りなさが感じられるのではないか。
J2からJ1に昇格したばかりのレイソルが優勝してしまう今のJリーグには、やはり問題があると思わざる得ません。
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