私はお化けをみたことはない。
見た事はないが、居ないとは考えていない。何故なら、お化けは必要があって、人間が産み出したものだと考えているからだ。
科学があろうとなかろうと、世の中は分らないことが沢山ある。何故今、地震が起きて自分の愛する家族が奪われなければならないのか。悪いことなどしていない無垢な命が、病魔に冒されるのは何故か。どんなに努力をしても、幸せになれないのは何故か。
分らないままでいることは辛い。だからお化けが必要だった。矛盾だらけの世の中で、失われてはならないものを奪われて、心に傷を負った人々にこそ、原因としての妖怪妖魔は必要だった。
人間の心の闇こそが、お化けを必要とした。だからこそ、お化けは恐ろしくなければならなかった。その恐ろしさを産み出す、人の心の暗闇の、なんと深く濃厚なことか。
その人間の産み出す心の闇、すなわちお化けを土台にしてミステリーを展開するのが京極夏彦だ。こんな作品、日本でしか生まれないと思う。
1500年にも及ぶ妄執、500年の執念、そして僅か数年の愛憎がもたらした骸骨を巡る事件の複雑怪奇さは、すべて人の心の闇が紡ぎ、編み出したものだ。
それを愚かしいと断ずるのは容易いが、その原因となる妄執は誰の心にも生じるものなのだろう。
科学的論拠に基づき、お化けを否定するのは容易い。しかし、科学は必ずしも全てを解き明かしはしない。だから、人が人である限り、お化けは必要とされるのだろう。
多分ね、お化けがいる世の中のほうが、人は幸せなのだと思う。見た事ないけど、お化けはきっといると思うぞ。でも、理屈だらけの陰陽師、京極堂は言うだろう「この世に不思議なことなんてないんだよ」と。私に言わせれば、人間こそ不思議なんだけどね。
見た事はないが、居ないとは考えていない。何故なら、お化けは必要があって、人間が産み出したものだと考えているからだ。
科学があろうとなかろうと、世の中は分らないことが沢山ある。何故今、地震が起きて自分の愛する家族が奪われなければならないのか。悪いことなどしていない無垢な命が、病魔に冒されるのは何故か。どんなに努力をしても、幸せになれないのは何故か。
分らないままでいることは辛い。だからお化けが必要だった。矛盾だらけの世の中で、失われてはならないものを奪われて、心に傷を負った人々にこそ、原因としての妖怪妖魔は必要だった。
人間の心の闇こそが、お化けを必要とした。だからこそ、お化けは恐ろしくなければならなかった。その恐ろしさを産み出す、人の心の暗闇の、なんと深く濃厚なことか。
その人間の産み出す心の闇、すなわちお化けを土台にしてミステリーを展開するのが京極夏彦だ。こんな作品、日本でしか生まれないと思う。
1500年にも及ぶ妄執、500年の執念、そして僅か数年の愛憎がもたらした骸骨を巡る事件の複雑怪奇さは、すべて人の心の闇が紡ぎ、編み出したものだ。
それを愚かしいと断ずるのは容易いが、その原因となる妄執は誰の心にも生じるものなのだろう。
科学的論拠に基づき、お化けを否定するのは容易い。しかし、科学は必ずしも全てを解き明かしはしない。だから、人が人である限り、お化けは必要とされるのだろう。
多分ね、お化けがいる世の中のほうが、人は幸せなのだと思う。見た事ないけど、お化けはきっといると思うぞ。でも、理屈だらけの陰陽師、京極堂は言うだろう「この世に不思議なことなんてないんだよ」と。私に言わせれば、人間こそ不思議なんだけどね。