強い光は濃い影を作る。
いや、もっといえば強い光であるためには、濃厚な闇が必要となる。だからこそキリスト教にとって、悪魔は残虐でおぞましく恐怖の対象でなければならない。
多神教の日本だと、神様や妖怪と戯れることも許容される。しかし、絶対にして唯一の神を掲げるキリスト教では、神以外の存在は断固拒否すべきものである。
だからこそ、キリスト教を土台にしたホラー小説は恐ろしく、おぞましくなる。そんな典型的な作品が表題のもの。映画化もされており、あまりヒットはしなかたのは、エンディングがあまりに残酷だからだろう。
決して悪魔が勝利した訳ではない。しかし、爽快なエンディングとは言いかねる。むしろ残酷でおぞましいエンディングである。
そんなホラー小説を読みたいと思われたならば最適な一冊でしょう。
ただ、この本の出版元はあのハヤカワ書房。例によって版権を仕舞い込んで、放りっぱなしなので書店での購入は無理でしょう。古本屋で探すか、図書館で探すしかないのが難点なのです。
たかが10万円、されど10万円。
安倍首相や麻生財務大臣にとって、10万円は小遣いにも足りない程度のお金なのだろう。富裕階級のご出身だけに、その感覚は分からないでもない。
彼らにとっては10万円は小遣い程度であっても、日々の暮らしに困る人々には大金である。
ただし、10万円程度では一月も持たないで費消してしまうことも確かだ。
そのたかだか10万円を電子マネーにしろという経団連のおバカには呆れる。現金信仰の強い高齢者は無視なのだろう。またそのたかだか10万円を自己申告にして支給だと言い出した麻生にも呆れる。
また批判するしか能がない野党のおバカ政治家には対案を出せと言いたい。批判しか出来ないから政権を担う能力がないと判断されていることに、いい加減気が付け。
偉そうに批判するだけの意見なんざ聞くだけ無駄。今、必要とされるのは10万円ではない。新型コロナ肺炎によりもたらされた停滞し、委縮する日本をどう明るい方向にもっていくかこそが求められている。
ご賢明な評論家諸氏の見識の高さなんて、今さらどうでもいいことだと気が付けないものか。
最近、碌なニュースがない。だからTVも視たくないし、新聞も読みたくない。楽天家の私でさえ、沈んだ空気に染まってしまいそうだ。
私はといえば、仕事はともかく、この外出自粛が正義の非常事態ですることといえば、やはり読書である。こんな時こそ、先人の経験と知恵に頼りたいではないか。過去の事象が文章により残されていることこそ、人類の最大の強みだと思うのです。
絶望的な状況から立ち上がり、新たな道を拓いた先人の勇気と叡智をこそ求めたいと思います。
読後爽快、この一言に尽きる。
隠蔽捜査シリーズの三作目である。堅物で公私混同を嫌悪し、仕事に私情を持ち込むことなんざあり得ないエリート警察官僚である竜崎シリーズの三作目である。ただしエリートながら身内の失態で降格人事を喰らい、都内の警察署長に転落したエリート様である。
今回も相変わらず堅物の変人なのだが、美しく有能な女性を部下に付けられたことから、生涯初めてといってよいほどの動揺を見せる。それが恋であることを認めるだけでも大騒ぎである。
この変人警官(ただしエリート)がこの恋愛感情にどう向き合うのかも興味津々なのだが、よりにもよってアメリカ大統領訪日の方面本部の部長を仰せつかる修羅場の最中である。
恋(?)に仕事に振り回されるエリートの醜態が実に楽しいが、そこは変人の主人公。妙な解決法を思いつき、あげくに大統領暗殺未遂事件にも活躍する。
だから中盤までの騒動があっという間に終わり、爽快な結末が待っている。
仕事に煮詰まっていた私には天の甘露ともいうべき作品でした。ああ気持ちいい。
しかし、まァ竜崎さん、だんだんシーフォートに似てきたぞ。最初は嫌いだったのだけど、だんだん好きになっていく私が不安だァ。
アメリカのトランプ大統領が、WHOへのアメリカの負担金支払いを停止するとの報が出た。
興味深いのは、報道に対する反応だった。
まず前提としてアフリカ初のWHO事務局長であるエチオピア人のテドロス氏だが、その就任当初から能力には疑問符が付いていた。アフリカに対して多額の経済支援を行っている北京政府の肝煎りの人選との噂は当時からあった。
シナの武漢市で新型肺炎の発生が報じられた時、積極的な対応を避け続けていたのがWHOであった。奇妙なくらいに北京政府の対応を褒め称え、この問題を過小評価していたのは、WHO自身であることは明白であった。
しかしこの新型肺炎は地域的なものとはならず、二か月と経たずして世界的な流行となり、近年まれな大規模な被害を生じてしまった。本来の役割をWHOが果たしていない事は明らかであり、欧米を中心にテドロス事務局長への非難が湧いて出てきたのも当然である。
私が妙に感じたのは、日本の一部の言論人の発言であった。テドロス氏への非難を人種差別に結び付けたり、反トランプの立場からのものであったりと、おかしな報道が相次いでいた。
なかでも滑稽だったのは、公金等の私的流用疑惑で都知事を辞めた舛添要一氏であろう。曰く「世界が力を結集して新型肺炎に立ち向かうべき時に、トランプ大統領は・・・」と苦言を呈している。
WHOといえば、台湾を国家として認めたくない北京政府の意向を汲んでか、台湾のWHO加入を断り続けていることを忘れたのか。シナ人との交流も多い台湾だが、今回の新型肺炎の拡散を最も抑制したのが台湾政府である。
その台湾と新型肺炎に関する情報共有を妨げているのが、当のテドロス事務局長である。世界が力を結集するのを妨げているのは、トランプではなくテドロスであるのが現実だ。
舛添だけでなく、おかしな言論を弄している人は他にもいる。今回の新型肺炎の大流行に対して、WHOが果たした、あるいは果たすべき役割を十分にこなしていると思っているのだろうか。
私は今回の新型肺炎の拡散は、これからだと思っている。比較的情報が自由に出回る西側先進国以外の国々では、既に拡散が始まっているはずだ。ただ、その情報が外に漏れていないだけであろう。
WHO、いったい何をやっているの?
WHOに限らず、ユニセフなど国連絡みでおかしな組織は他にもある。アメリカは国民の支払った税金が、このような不公正な組織に乱用されるのを嫌うが故に、資金負担の拒否などをしばしばやっている。
ところが日本では国連信仰とでもいうべきか、国連を絶対善と捉える人が多い。冷戦時代から国連が政治的な偏向をしていることは周知の事実なのだが、日本のマスコミ様は、この点に関して極めて鈍感だ。
私は日本政府も、WHOに対して資金負担の拒否を匂わせても良いと思いますね。
どさくさに紛れて厭らしいことをしてくれる。
厚生年金の改正法が国会に上げられた。これまで501人以上であった基準を、51人以上にして厚生年金の強制加入を増やし、将来の年金財源の拡充を目指す改正案である。
別にマスコミに悪意があるとは思わないけど、いい加減記者クラブで官僚から手渡される資料の丸投げ報道は止めにしてもらいたいものだ。
まず第一に言っておくが、政府の説明のように将来国民年金だけでは不安なので、パートや非正規従業員にも厚生年金基金への加入を広げて欲しいとの要望が、まったくないとは私も言わない。
だが現在、パート労働などについている人は、現在の生活の足しに働いて家計の足しにしているのであって、厚生年金への加入は望んでいない。確実に手取りが減る厚生年金なんて真っ平だと考える人の方が多い。
また非正規従業員についてだが、これは正規の雇用契約を目指す人は多いが、非正規のまま厚生年金への加入を求める人は、あまり居ないというか、意味のないことだと思う。
はっきり言えば、今回の改正は現在経営危機になっていることが多い厚生年金基金への救済であり、同時に将来の国民年金の不安解消でもあるのが本音だと思う。
近年、厚生年金基金の解散等が相次でおり、国民年金に救済合併のような形での処理が数多くされている。ただでさえ年金財源の不足に怯える国民年金側が厚生労働省に強く働きかけたのが実情であろう。
云わば国民の為と言いつつ、実際は年金システムの現状維持を確保するための厚生労働省側の抵抗に過ぎない。彼らも分かっているのだろう。近い将来、国民年金も年金財源が枯渇して、国からの補助(消費税)頼りになることを。
そうなれば、厚生労働省管轄の年金機構は無駄な存在となり、天下り先を失くすことになる。財務省の監督下に入ることを断固避けたい厚生労働省の足掻きであり、それを中小企業に押し付けたのが今回の改正である。
つまるところ国民不在の改悪が本質だと思うが、それを知りつつ丸投げ報道するマスコミ様って何者?
安倍首相や菅官房長官の会見には、散々悪態突く癖に、官庁の記者クラブの大本営発表には粛々と従うマスコミ様って必要なの?
官僚のスキャンダルは喜んで報じる癖に、官僚が本来の仕事で国民を謀ることは放置なのかね、日本のマスコミ様はよ。
まァ新聞社やTV局のような大企業で働く記者様には、中小企業の苦悩など興味がないのが本音なのでしょうね。