ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

シロクマだって暑い

2023-07-24 09:04:32 | 社会・政治・一般

少し冷静になって温暖化を考えてみたい。

太古においては燃え滾るマグマと放射能で灼熱の惑星であった地球は、大気を形成し大雨を降らせて全地球を水面下に沈めることで徐々に冷却化を進めた。その後冷えて固まった地殻に水の一部が吸収されて、現代にも連なる古の大陸が形成された。

一方、酸という劇薬を含む大気が形成されるとオゾン層が上空に広がり、宇宙線という放射能が遮られ、地上に生物が繁栄するようになった。ただ地球という惑星は太陽に対して斜めの地軸をもって周回しているため、大気温度は常に不安定だ。

簡単に言えば、暖かい時期と寒い時期が交互に訪れる。ただし地質学的期間なので、その時期は長いと数千万年、短くても数万年となる。ちなみに暖かいと寒いの区分は、極点が常時凍り付いているかどうかで判断される。すなわち現在の地球は寒い時期に該当する。

地質学的にいえば、新生代、第四紀、完新世(以前は沖積世と言われた)にあたる。寒い時期といっても、氷河が大陸の大半に形成される寒冷期と、その寒冷期と寒冷期の狭間にある温暖な時期、さらに短期間に冷えるプチ氷河期といえる寒冷期が頻繁に表れる。

寿命の短い人間にとっては、7万年前に始まり1万年前に終わったヴェルム氷河期の後の温暖期こそが、今に該当する。おそらくだが、氷河期と氷河期の間の間氷期にあたるとさえるが、最後の氷河期を終えて、これから暖かい時期が続くとの予想もある。こればかりは現代の科学力では分からない。

そこで絶滅が危惧されるシロクマなのだが、彼等は15万年前にヒグマから枝分かれした種とされる。割と新しい種族であり、ヒグマ(グリズリーはヒグマの亜種)とは近親種であるため、交配も可能である。ちなみにヒグマの主たる生息域はロシアである。

シロクマ絶滅を危惧する論文はイギリスの科学誌に発表されたものだ。実はこの論文のベースとなる実地調査はアメリカ、カナダ、アラスカが中心であり、ヒグマ及びシロクマが多く生息しているロシアは調査対象から省かれている。

先にも書いた通り、地球は現在数百万年に及ぶ寒冷期ではあるが、時折短い間氷期があり、7万年前の寒冷期の前にあったはずの間氷期、すなわち極地の氷が溶けるような温かい時期をシロクマは乗り切ったはずだ。

ただ問題は、環境破壊獣こと人間がそのころは文明を築いていなかったことだ。現在のシロクマの生息数の減少は、決して温暖化による生息環境の変化だけが問題ではない。むしろシロクマたちの生息域で原油や天然ガスの採掘を行うために、寒冷地帯で町を作ってしまう人間からの迫害が大きな要因になっているはずだ。

動物保護の観念が広まっている欧米とは異なり、ロシアではシロクマは単なる害獣扱いである。いったいどの程度のシロクマがロシア人の町に入り込んで駆除されているのか、その情報がまったくない。

そのような状況下で、抜け抜けと温暖化でシロクマが絶滅しちゃうと宣伝して、寄付金を求める環境団体のやり様には、正直疑念の目を注がざるを得ない。

そもそも、現状の科学では温暖化の原因が、人間の化石燃料燃焼による二酸化炭素の排出がどの程度なのかさえ分かっていない。地球の大気温度に最も影響のある太陽からの放射熱の観測でさえ未熟なのが実情だ。

そんな科学的見地からの検証など捨て置いて、ひたすらに温暖化ストップを叫ぶ環境論者には閉口を禁じ得ない。善意からくる思い込みなのはわかるが、善意ですべてが許される訳ではないと私は思います。

嫌らしいことに、化石燃料(原油)は現代文明の基盤に近い存在であり、その有効利用ならば私ももう少し好意的に見れるのですが、経済的あるいは政治的な本音が隠された議論には辟易します。そんなことにシロクマを利用するなと言いたいですね。

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EVシフトへのブレーキ

2023-07-21 09:14:26 | 経済・金融・税制

昨今、マスコミが顕著にアピールしていたEV車シフトの動きがおかしな事になってきた。

欧州最大の自動車メーカーであるVW(フォルクスワーゲン)社が、再びガソリンや軽油を燃料にする車種の販売にシフトしつつあるのだ。BMW社やアウディ、ダイムラーなども追随の動きを見せている。

もちろんEV車を見限ったと明言している訳ではない。しかし、電気料金の高騰や寒冷地におけるEV車の利用の難しさなどの現実的な視点から、もはやEV車一辺倒ではいられなくなったようだ。ただし、私が調べた限り、この動きは労働者サイド(組合など)から出てきているようなので、会社の経営陣がどの程度本気なのかはわからない。

私からすると、予想通りの展開に過ぎない。

元々欧州のガソリン車廃止の動きは、EU委員会を中心とした政治的なものだ。彼らが口にはしない本音を私が邪推すると、極端で急速なEV車へのシフトには二つの目的がある。一つは原油の枯渇を睨み、先手を打つことで産油国主導となることを防ぐこと。

もう一つは、本来自動車後進国であった日本などアジアのメーカーによるハイブリッド指向を潰し、自動車産業の主導権を取り戻すことだ。海外を主戦場と考えるホンダなどは、早々にこの日本車排除の動きに素直に従い、EV車展開を進めた。

一方、国内の労働者及び下請け企業を大量に抱えるトヨタは、EU委員会主導のEV車推進に不快感を隠さず、独自路線を追求する姿勢を見せつつ、EV車展開も視野に置く多角的な経営戦略を打ち出した。

マスコミを巻き込んで原油多消費型の車を排し、EV車への流れを作ろうとしたEU委員会だが、困った事態に陥った。主導権を握るはずのEV車の開発、販売を共産シナがその巨大な国内市場をベースに強引に推し進めてきた。バッテリーに必要なレアメタルも含めて、シナがEV車を主導しかねない状況になってきた。これでは話が違うと、欧州の自動車メーカーが不平を言い出した。

更にEV車推進の先進国であるノルウェーにおけるEV車の実態が徐々に明らかになってきた。国を挙げてEV化推進をするノルウェーではあるから、かなり参考になる。ただ、ノルウェーの人たちは、厳しい寒さのなかで生きていくうえで、現実的な対応をしている。一家族でEV車を一台、これは決まりきったルートを走る通勤用とし、もう一台はハイブリッド車を選び旅行などに活用している。

やはりEV車は充電がネックであり、国策でEVステーションを多数設置したノルウェーでさえ決して十分ではないのが実情だ。しかも冬場には想定されているよりも電気の消費が多く、バッテリーの性能も十分ではないのが現実だ。しかし、車の維持費に関しては、EV車は優秀との声もある。

ところが、ウクライナ戦争の煽りを受けて電気代が高騰すると、ドイツやポーランド、バルト三国では悲鳴が上がった。欧州屈指の産油国であるノルウェーはともかく、ロシアからの天然ガスを燃やして電気を作っていた欧州の国々は、電気代の高騰に音を上げた。

ドイツのVW社がEV車一辺倒からガソリン車への多角化を言い出したのも無理はない。これは原発で電気を賄うフランスでさえ、その電気代の高騰には頭を痛める。特に貧困層においては顕著であり、これが現在のフランス暴動の一因だとする報道もある。

これは非常に重要な情報だ。原油が近い将来枯渇し、値上がりすることは既に決定事項でもある。EV車はその点で賢い選択肢であるが、やはり万能ではない。天然ガスはまだ200年は持つとされているし、石炭も十分にある。

自動車は現代文明の必需品であることを思えば、決してEV車の可能性は排除すべきではない。しかしEV車だけに頼ることのリスクもあることがはっきりした訳だ。

ところがマスコミの報道を見ていると、相変わらずのEV正義論というか、日本自虐論がまかり通っている。これでは適切な判断ができない。もちろん、まともなことを言っているマスコミもあるのだが、だからこそ厄介だ。

私でもけっこう迷うが、現時点では日本においてはEV車購入の価値はないと断じたい。ただし郵便局の配送とか、新聞配達とか限定的な利用ならば良いかもしれませんね。最終的には、ガソリンの小売価格次第だと思います。

仮にリッター200円ならまだハイブリッド車に利があるでしょうけど、リッター1000円ならばEV車は当然に選択肢です。まぁそうなればLPG車、燃料電池車、水素エンジン車なども本格的に実用化されると思いますけどね。

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最後は人かな・・・

2023-07-20 15:15:56 | 社会・政治・一般

ロシアのウクライナ侵攻以来、既に一年半が過ぎた。

しかし、一向に終わりが見えない。国力に乏しいウクライナは西側諸国の支援を受けて戦い続けているのは予測通り。本来、外国からの支援を受けずらいはずのロシアは、国内ではかなりキツイようだが、意外と外国からの支援があるらしく、持久戦の様相を見せている。

ロシアの撤退を望む声は西側を中心に多いが、実はこれは危険な結果となる。混迷するユーラシア大陸の綴じ蓋の役割を果たしているのがロシアだからだ。イスラム勢力が中央アジアでは一定の力を持つが、これもイラン(シーア派)やトルコ(スンニ派)に分かれるし、ウィグルやクルドも蜂起の焔を立てる可能性が高い。

今でこそロシアに協力的だが、シナとは本来長く国境を接するが故に微妙な関係にある。かつてモンゴルに支配された恐怖は、ロシア人の心の奥底に深く根付いている。そして資源目当てのシナ人がロシア領内に既に相当数浸透している。

ロシアというユーラシア大陸の第一勢力の衰退は、大陸に多数の紛争を引き起こす可能性が非常に高い。正直、平和を望むならば、ロシアを追い込み過ぎることは危険だと思います。

そしてウクライナを支援している西側も実はかなり危うい。フランス全土で起きている暴動は、移民問題が根底にあり、他の国に飛び火する可能性を皆恐れている。戦争は国力を疲弊させる。支援するヨーロッパの国々にも相当な影響を引き起こしている。

実はアメリカでさえ例外ではない。軍事的支援を続けるアメリカだが、その生産力が徐々に限界を迎えつつある。グローバリゼーションの名のもとに生産工場を世界各地に移転させた結果、アメリカ本国の軍事上の生産力は落ちている。

おそらく遠からず日本や韓国、オーストラリアに対して武器の供用を求めてくる可能性さえあるのです。またアメリカ国内も一枚岩ならずで、昨今賛否両論のポリティカルコレクトやLGBTの問題は、混乱するアメリカ国内の象徴とも云えるもの。

おそらく大統領が変わったら、ウクライナ支援の在り方も変わる可能性が高い。それはロシアも同様で、プーチン健在な間は変わりなくとも、政治指導者が変わればウクライナからの撤退もありうるでしょう。そうなると最大の障害はウクライナの大統領でしょう。

味方から背中を撃たれる可能性は否定出来ません。私はテロリズムを好みませんけど、政治的局面を大きく変えるには、政治家を変えるしかないように思います。

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アイドル YOASOBI

2023-07-19 10:10:02 | 音楽

白状すると私はアイドルに夢中になったことがない。

いや十代の頃、よく聴いていたアイドル歌手なら居た。松田聖子を筆頭に中森明菜などはLPも買っているし、カセットテープにエアチェックして、よくドライブ中に聴いていた。

また友人との会話のなかで、あまりに芸能音痴なのも差し障りがあることも分かっていたので、芸能人のスキャンダル情報などを楽し気に話す友人を馬鹿にするような幼稚な真似もしていない。

ただ私は基本的に歌を聴きたかったので、どんなに可愛くても歌の下手なアイドルには冷淡であった。その一方、どんなによく聴いていたアイドルでも、コンサートなどに行ったことはない。サイン会などとも無縁であった。ただ曲が聴きたかっただけだ。

それなので、現在大ヒットしているYOASOBIの「アイドル」の原作といえる「推しの子」は読んでいない。週刊ヤングジャンプ誌に掲載されていたのは知っていたが、興味がわく分野ではないのでスルーしていた。

さて、読もうか読むまいか些か迷っている。どうも原作を読まないと、あの歌詞の意味などが理解しづらいようなのだ。妙な話だが、私はこのことをYouTubeの外国人配信者の番組から知った。

ご存じの方も多いと思うが、この曲は世界的なヒット作となっている。ボーカルのイクラさんは帰国子女であり、英語の発音もなかなかだそうだ。また作詞作曲のAyaseは原作の読者でもあるので、元々曲を作りたい意欲を持っていたところに、このアニメのOPを担当することになったから創作意欲も満タンであったようだ。

海外の方の批評などを読むと、欧米にはないリズム、曲作りが目新しく、それがアニメを見ていな層にも受け入れられたらしい。

私は曲を気に入ると、それが脳裏で何度も演奏されるのだが、実はこの曲は脳裏に流れない。途中のラップ調(この表現でいいのかな?)に不慣れなので、イマイチ乗れない。でもインパクトはあるのでミュージックヴィデオはしばしば視聴して楽しんでいる。

ここ最近、日本のシティポップと呼ばれた1980年代から90年代の曲が、何故だか世界の音楽チャートに出てくることがあったが、J-POPがランキング上位に出てきたのは初めてではないかな。理由はよく分からないけど、なんか嬉しいですね。

 

 

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クロワッサン

2023-07-18 13:13:52 | 健康・病気・薬・食事

YouTubeで食事に関する番組を作っている人はかなり多い。また外国人のユーチューバーの中には、母国と日本のものを比較した番組を出していることが多々たる。

なかでもフランス人はパンに対する拘りが強く、とりわけクロワッサンについては黙っていられないらしい。日本語で番組を発信しているのがベベチャンことオレルアン氏とアマさんことアマンディーヌさん。この二人、立場も育ちも違うのだけど、日本が大好きでほぼ定住している。

この二人に限らないのだけど、フラン人はワインとパンにはうるさい。男性のベベチャンがワインに厳しいのは分かるが、アマさんもブルターニュ地方出身の自称フランスの田舎娘だけに、ワイン蔵が身近にあったので、ワインには一言、二言ある。

それだけでなく、二人ともパン、とりわけクロワッサンに厳しい。この二人は共に日本在住のフランス人としてコラボ動画を作ったこともある。またベベチャンは友人のパティシエのフランス人と共に都内のパン屋さん巡りをしたりして、クロワッサン評定をしたりもしている。

小柄なのに大食いのアマさんも、やはり酒田市在住の友人のフランス人を伴い、コンビニのクロワッサンから個性的なパン屋のクロワッサンの食べ比べ動画を作ったりしている。

その評価の違いについては、それぞれの番組を見てもらうに限るので、ここでは取り上げない。ただ、日本人がお米の良し悪しを評価するのに負けず劣らず、繊細にして大胆な評価をかますのが非常に面白いとだけ書いておく。

ちなみに日本ではフランスパンとして知られているバゲットに関しても、フランス人は非常にうるさく、かつ細かい。ついでに言えば、チーズに関しても一人一人好みはあれども、その評価はかなり辛辣でもある。

クロワッサンに話を戻すと、私は複雑な気持ちになる。

いや、好きなのだが、如何せんクロワッサンはバターを大量に使うせいかカロリーが高いのだ。まぁ私に言わせれば、美味しさの秘訣は塩とカロリーであり、クロワッサンに限らずパンはその二つを過剰に使う傾向が強い。そして認めなくてはいけないが、そのほうが美味しいのだ。

無塩パン、食べたことありますか。

私は急性腎不全の最中、この無塩パンを必死で食べていました。私は病気は食べて体力つけて治す教の信者なので、不味かろうと必死に我慢して食べていました。無塩のおかゆ、無縁のパン、そして無塩でかつ低カロリーのクロワッサン・・・

あたしゃ、これで心が折れた。不味い、本気で不味い。食パンやおかゆはまだ我慢できた。でも見た目が美味し気なクロワッサンが無塩で、バターの香りが全然しないことにめげてしまいました。栄養士さんの苦心の賜物なのは分かるけど、外見と相反するあのまずさは、精神的ダメージが大きすぎた。

涙ぐみながらクロワッサンを食べる私を不審に思った看護婦さんに本音を話すと、けっこう真剣に聞いてくれた。塩分制限が緩和されたのは、その翌週のことでした。どこまで影響があったのかわからないけど、あのくそ不味いクロワッサンこそ転機であったと、私は信じています。

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