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ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

キドナプキディング 西尾維新

2023-07-17 13:58:29 | 

中毒性があるから、あまり読まないようにしている作家が西尾維新だ。

でも最近のヒット作である「化物語」シリーズは読んでいない。中毒性が薄いというか、初期の不思議な文章が普通の文章に変わってしまい、それが物足りなく感じるからだ。

実際、デビュー作の「クビキリサイクル」に始まる戯言シリーズの異常で異様で異質な文章は凄かった。あまりに異相で異端で意外な内容に呆れを通り越して感心してしまった。

ミステリー地味てはいるが、内容は娯楽小説である。当時、出版社は「青春エンタ」と宣伝していたと記憶している。

私は気に入った本は、幾度も繰り返して読む癖がある。一番頻度が高かったのは吉川英治の「三国志」で、次点が田中芳樹の「銀英伝」である。おそらく三位に入るのが「戯言シリーズ」だと思う。

ただ、私は戯言シリーズを読んだ後は、鴎外や芥川、太宰などの練達の文章を読んで、脳をリハビリする必要があると考えている。そうしないと、日本語を書く時のリズムが崩れ、論旨が後戻りして、明快さが立ち眩みを起こすが如き、変な日本語を書いてしまうからだ。

なれば、読むべきではないと思わないでもないが、妙な中毒性があり、西尾維新を読みたくなることがある。ここ数年は我慢していたのだが、なんと戯言シリーズの主人公、戯言遣いと青色サヴァンの一人娘が主人公の新作が出てしまったので、私の苦悩は飛躍的に高まった。

買うべきか、無視するべきか。3か月ほど悩んで、ついに買ってしまったよ・・・

予め警告しておきます。化物語のような近年の作品しか読んでいない西尾維新読者はもちろん、戯言シリーズをまったく未読の方は手を出さないほうが無難です。訳わからん羽目に陥りますから。

なにが「首を洗って待ってたかい」だ。こちとら首を長くして待っていたんだぞ。まったくもう。

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コールドゲーム 萩原浩

2023-07-14 11:03:59 | 

逃げることも大事だと何故に教えない。

その点、シナ人は偉い。あの毛沢東なんざ日本軍はもちろん、アメリカ製の兵器で武装した蒋介石の国民党にも勝てないと踏むと、ひたすら逃げ回った。恥も外聞もないどころではない。俗に長征一万キロなどと威張っているが、実態は戦わずに逃げまくりである。

これこそが毛沢東をしてシナ共産党を勝利に導いた軍事指導者としての最大の功績だと思う。敗北を認めず、敵に投降することさえ禁じた日本軍とは大違いだ。日本軍と国民党が戦い合い、消耗戦を繰り返した後、日本軍をゆうゆう逃して、日本軍の下で鍛えられた北方軍を受け入れて、国民党を台湾に追いやった。

まさに逃げて勝つを実践してのけたのだ。

その点、日本軍は撤退戦が下手だ。これは一概に軍指導部のせいだけとは言えない。元々細く長い日本列島は山と川に区切らているせいか、移動できる範囲が限られていた。この地形的な制約のせいで、中世までの日本は陸上交通がかなりお粗末だ。

比較的整備されたとされる江戸時代でさえ、一番整備されていたはずの東海道でさえ馬車も満足に走らせられない。そのかわり沿岸海路を使った物流が発達しており、また河川を使った物流も大きな河川ではよく使われていた。明治になり鉄道が敷設されるまで、日本の物流は船が担っていた。

そのせいで、人の移動がかなり制限された。これは踏みとどまって耐えて生きていくことを日本人に叩き込む結果となった。この考え方は今も普遍的にある。これが今日のいじめ問題の根底にある。

私自身、二度ほど転校先でいじめを受けている。半端に生意気で反抗的だった一度目は、やったらやり返すを繰り返した結果、クラスどころか他のクラスの連中にまで嫌われ、挙句に先生までいじめに加わりやがった。今だから分かるが、私のやり返す遣り口は、かなり汚い手口であったらしい。アメリカ人の生意気なガキどもとやりあって覚えた喧嘩の手法は、長閑な住宅地の学校では異端であったことが原因でもあった。

多勢に無勢では勝てず、仕方なく学校をさぼり、放課後いじめっ子どもが一人になったところを襲って警察沙汰になり、学校を巻き込んで大騒ぎになった。ありがたいことに、我が家は母の転勤に伴い引っ越すことで、このいじめ問題から逃れることが出来た。後年分かったのは、教育委員会に顔が利いた叔父の助力で母の転勤が認められたらしい。

転校先でもいじめはあったが、私はもうウンザリしていたので、黙して耐えていたが、ある日我慢出来ずにいじめの主犯に一騎打ちを挑み、引き分けに持ち込んで周りから認められ、いじめはなくなった。

いじめに対して一番有効なのは、私の経験上戦う姿勢を見せることだ。でも私は知っている。戦えない連中のほうが多いことを。ひどい場合、味方であるはずの家族でさえ、黙って耐えろと間違ったことを教える。

気の弱いいじめられっ子には、戦うのも無理、耐えるのも無理。ならば逃げればいいのだが、それを否定する親や教師は意外と多い。賢しげに、逃げた先でも同じことが起こるだけだと説教するが、それはある意味嘘だ。親も教師もいじめに対して戦うことを避け、世間体だけを考えているだけだ。

本当に子供の幸せを願うならば、子供をいじめ地獄から救出することだ。親にそれが出来ないならば、耐えろなどと子供に余計な責め苦を負わせるな。子供を逃がしてやれと、声を大にして言いたい。

では、耐えきれずに心が壊れてしまった子供はどうしたらよい。その結果、人生を狂わされた子供はどうしたら良いのか。

表題の作品の根底にある「いじめ問題」、これを題材にした荻原浩の用意したエンディングは決して爽快ではないが、読むに値する良作だと思います。

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お休み

2023-07-13 11:01:13 | 日記

本日、終日検査のためお休みします。

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蒸しパン

2023-07-12 09:11:49 | 健康・病気・薬・食事

硬くなったパン、どうしていますか。

最近のパンは、添加物が優秀なのか、あまりパンが固くなることはないみたいです。でも、私が子供の頃は、食パンでさえ固くなることが珍しくなかった。まぁ、固くなる前に黴が付くのが早いのですが、冷蔵庫に入れておけば黴はある程度防げる。ただし、その場合、パンが固くなってしまう。

硬いパンは美味しくない。でも工夫次第でなんとかなる。一番簡単なのは、蒸し器に入れて蒸気で柔らかくすることだ。食パンならば、これが一番簡単。しかし、相当に硬くなっていたり、黴がしつこくついているパンは、これではダメだ。

母は包丁で叩き割り、小鍋に入れて牛乳と砂糖、バニラエッセンスなどを加味して即席のおやつにしてくれた。たしか砂糖ラスクにしてくれたこともあるし、一晩溶き卵に漬けてフレンチトーストにしてくれたのも楽しい思い出だ。無駄なく食材を食べきる智恵だと思っている。

ところで20年以上前だが、当時ベルギーに駐在していた友人夫婦の元を訪れた。ベルギーはフランス料理とドイツ料理の双方の影響を受けたせいか、グルメの国として知られている。でも私に言わせれば、グルマン(大食)の国である。コース料理なんて、前菜の段階で満腹になりそうなボリュームにめげた覚えがある。

友人宅に泊まったのだが、なにやら朝が異常に早い。まだ5時だというのに、着替えて外に行こうとするから、どうしたのかと訊いたらパンを買いに行くという。なんでも当地のパンは厳しい規制があり、柔らかさを保つような添加物は認められないそうだ。

だからパンはその日に食べる量を、その早朝にパン屋で買っておく。早朝に買ったパンは、その日のうちに食べないと、翌日には硬くて食べられないそうだ。妙に思い、蒸かせばいいじゃないかと言ったら、夫婦で顔を見合わせて黙っている。

ん?なんだ、この空気は。

地球を半周回って久々にあった友人である。いちいちツマらんことで喧嘩するのも馬鹿らしいので、その場は流した。どうもこの家庭では、蒸しパンという概念はないらしい。しかし、まぁ余計な添加物を許さないのは、パンに拘りのある国として分からないでもない。

ただ正直言うと、添加物がないパンは少し旨味に欠けたように思えた。黙っていましたけどね。食生活というか食事の習慣は、人々の暮らしのなかでも最も頑固な部分なので、この点に関しては議論などは避けるようにしている。

余談だが、私は固くなっていないパンでも蒸すことがある。冷蔵庫から出したばかりのバターは固く、なかなか上手くパンに塗れない。オーブントースターで軽く焼いてバターを塗りやすくしても良いが、蒸すことでフカフカにしたパンにバターを挟んで食べるのも美味しい。

私は好きなのだが、きっと蒸してフカフカにしたパンなんて気持ち悪いと思う人も一定数いるのでしょうね。

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U17アジア大会優勝

2023-07-11 14:23:35 | スポーツ

二大会連続の優勝には、素直に賛辞を贈りたい。

でもね、この年代までだと40年以上前から、けっこう良い成績を残していました。原因は高校サッカーの隆盛です。そして優勝歴が少ないのは、高校サッカーが学校教育の一環であったからでもあります。

今回、タイで行われたアンダー17世代のアジア大会ですが、私が感心したのは若き日本人選手たちのフィジカルの強さでした。もちろん個人のテクニックも優秀であり、チームの戦術理解も良かったと思います。

しかし、20世紀の頃に行われたU17大会では、フィジカルに勝る中東の選手や、激しく汚い接触プレーを得意とする南コリアの選手に、若き日本人選手は皆弾き飛ばされていたのです。

それが変わってきたのは、やはりJリーグ開幕以降です。ただ当初は個人間でかなり差があった。中田英寿や前園といった選手は、専属のトレーナーを付けて、サッカー向けの体を鍛え上げていった。しかし、多くの高校サッカー部では筋トレ自体を禁じていることも珍しくなく、またサッカー専門のトレーナーも少なかった。

やがて海外で活躍する選手が増えてくると、試合には出れなくても、最新のサッカー向けの筋肉トレーニングを身に着けて帰国するようになる。それが少しずつJリーグの各チームに広がり、当然ユース年代の選手にも普及した。

こうなってくると、強豪の高校サッカーチームでも、プロのユースチームに勝てなくなり、その対策として海外からのコーチを招聘したり、元Jリーガーをコーチとして採用して選手個人の身体能力の向上が図られるようになった。

最近の若手選手が、いきなり海外で活躍する例が増えたのも、十代でのサッカー向けのトレーニングが普及した結果であるのです。だから今回のアジア大会でも、イランや南コリアの屈強な選手たちの激しいチャージに当たり負けしない日本選手が普通になりました。

日本人の真面目な努力の成果でもあり、その意味でも嬉しい優勝です。でも、世界標準にようやく追いついただけとも言えます。

一方、近年日本に勝てなくなってしまった南コリアの敗因は何なのでしょうか。決して身体能力が低下した訳ではありません。またテクニックが低下してもいません。指導者の能力が低いとも言えないと思います。では何故か。

やはり転機は日韓ワールドカップであったと思います。南コリアは準決勝まで進みドイツに敗退。それでもベスト4の実績を残して、これで世界の一流強豪国となったと胸を張りました。しかし、しの中身は審判を買収しての危険なラフプレーの連続で、欧州とりわけイタリア、スペイン、フランスから毛嫌いされてしまいました。

上から目線で劣るとみていた日本は、ベスト8が限界でしたが、フェアプレーに溢れ、欧州のみならず南米、アフリカからも好意的にみられる。この落差に悲嘆したのか、ラフプレーだよりではなく、しっかりと中盤でボールを回して技術的にも評価されるようなサッカーを目指した。

実際、南コリアのサッカーは日本と遜色がないくらいにはテクニカルな面が増えた。ちなみにこの傾向はイランやサウジにもみられる。ただし、勝利に強く固執するメンタルが、時折悪い方へ戻らせる。だから相変わらずの反則ラフプレーのオンパレード。

この気質は一朝一夕では直らないでしょうね。ちなみに南コリアが弱くなったとの記事も見受けられますが、それは違うと思います。実際、カータルW杯でも日本同様のベスト16ですし、先だってのU20のアジア大会ではグループリーグ敗退の日本に対し、南コリアは準決勝まで進んでいます。決して弱くはないです。

ただ対日本戦での意識の違いは確実にありますね。かつては絶対に日本には負けられないとの強い意志がえげつないほどの反則プレーに表れていました。しかし、現代の南コリアの選手は口では絶対日本には負けられないと言いつつ、実際にはJリーグでプレーしたいとか、日本のカルチャーが好きだったりと意識が変化しています。

変わらないのは、南コリアの熱狂的なサポーターと、それを煽って販売部数を稼ぐマスコミで、これらは目立つ故に汚い反則プレーをしてまでしてでも勝つことが使命だと狂信している。だから日本に負けると大騒ぎ。でも、当の選手たちは冷静ですよ。時代は変わったと思いますね。

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