
紅葉(もみじ)の葉の変色、と言ってよいのか、は不思議で、緑の葉がいきなり紅くなるかと思えば、黄色に変わってから紅く染まるという葉もある。どういう加減でそうなるのか、今もしっかりと眺めてきたが分からない。紅葉(もみじ)や楓の種類かと思えば、そうでもないようだ。日光の加減にでもよるのか・・・。
きょうは風もなく穏やかで、中央アルプスも北アルプスも中腹あたりから下は薄い靄がかかっているが、峰々はぐるっと両アルプスを一望できる。御嶽山の噴煙は真っ直ぐに昇っていて、終息する気配は見受けられない。惨事の始末もまだ終わっていない。
モクモクと煙を吐く山を見ていると、園山俊二の漫画にでも出てきそうな大古の、ほら穴の住人もこんな気持ちで上がる噴煙を見ていたのだろうかと、とんでもない空想まで浮かんでくる。慣れ親しんだ山の変貌は、また新な災厄の予兆でなければよいのだが。


牛はかつてのように一団にまとまらず、広い範囲に散らばって、それぞれが勝手な行動をとっている。まるでこの囲い罠の中の方が、安心できるかのように見える。ここに入れてしまえばもう、心配することはあまりない。せいぜい漏水の止まぬ古い給水タンクのことぐらいだ。気が楽になった分だけ力が抜けたのか、昨日まで牛のいた第1牧区の一変した風景や雰囲気を、しばらく茫然としながら眺め、感じていたくらいだ。
もう1か月もすれば、完全に牧を閉じる日が来る。いつもの年ならそれまでにやることはたくさんあったが、さて、今年はどうしたものか。このままにはしておけないから、あれこれと気を揉みながら残る日を行く。
昨年の10月の3連休は結構賑やかだったというのに、今年は静か。思いがけずOSM君夫妻がやってきて、ひとしきら深まる秋の入笠を味わっていった。今日のような気持のよい秋日和のすぐあとに、台風が来るなどとはとても想像しずらい。そういういい一日が暮れていく。
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