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気が付いたら、道の両脇にたくさんの落葉が散っている。どれも小梨の葉のようだ。昨年の秋に牛が下りてからは、この木の枝打ちに専念した。そしてこの春、伐り散らかしたままになっていた枝の片づけに、また幾日も費やした。その時のことだ、中指の付け根あたりをノコギリで切ってしまったのは。今でも繁茂したこの木を見ると、あの時の痛みや、性悪女のようだなどと罵りながら続けた、厄介極まりない枝払いのことが思い出される。
それにしても秋色は進むばかりで、時折に目に付く赤松や樅の葉のような常緑樹の緑が、かえって今まで以上に新鮮に見える。
今朝大沢山の牧区を見回った帰り、モミジの木に目が止まった。紅葉が始まっていたのだ。いつもはこのモミジの木より、その傍らのキノコのような樹形の小梨にばかり目を奪われていたが、広々とした草地の中でなかなかの存在感を示すようになってきた。
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そうやって少しモミジの紅葉に見とれて下ってくると、鹿の一群が林の中から跳び出してきた。ざっと見て20頭以上はいる。この頃は、日中は行動しないものと思っていたから、意外だった。
やがては、鹿にとっては受難の冬が来る。その前にできるだけ質の良い牧草を食べておきたいのだろうが、かといって放っておくと牧草が根こそぎ食べられてしまう。そうなってしまうと、長年手を入れて守ってきたせっかくの牧草はもう生えてこない。また罠を掛けるしかないのか。
来たる10月8日は、天気さえよければ3年ぶりの皆既月食が観測できる。月食は、太陽―地球―月と直列した際に、太陽を地球が隠すことにより起こる現象で、これに対して日食は、太陽―月―地球の順で、月が太陽を隠すことにより起こる。ところで、皆既月食になっても月が見えなくなるわけではない。不思議なその訳は、地球の大気を通過した光が月面に当たり反射するからで、月は赤銅色に見える。天文ファンなら当然、そんな珍しい月の姿を見逃せまい(以上は、今日の「毎日新聞」からの受け売り)。
そういうわけで、山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては9月5,6日のブログをご覧ください。
今日の2点の傑作写真もご存知Ume氏の作品です。特に最初の作品、だれでも撮れるという作品とは、断然・全く違う。
焼き合わせの周辺のツタウルシはすごいことになっているというのに、そこを訪ねようとする人がいない。キノコならムキになるあの人たちは、もちろん来ない。「紅葉は秘められた恋」だと、もう言った人は忘れたが、先日ここにその言葉を紹介した。正しくは「紅葉は姫君の秘められた恋」で、そういう紅葉があそこに行けば見える。