入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

冬の星を撮る  (競作)

2014年10月30日 | 入笠牧場からの星空

                                                        Photo by Ume氏

 星々が冬の夜空で何を語っているのかは分からない。しかし、その饒舌さは感ずる。もしかして話題の中心は、天の川銀河の片隅にある太陽系、その3番目の地球というちっぽけな惑星に、最近誕生したばかりの人類の噂でもしているのかも知れない。
 われわれは本当に、ありふれた銀河のありふれた星に生まれたのだろうか。



Photo by かんと氏
 
 すばるは牡牛座の一画を占める散開星団で、青白い6,7個の星がぼんやりと見えるが、実際は130個以上の星々より成り立ち、距離は400光年、誕生してからまだ500万年という若い星たちだ。
 「枕の草子」の時代から「す(統)ばる」はやんごとなき人々の口の端に上り、語られたとか。「わらわにもあんなすばるのような首飾りをこうてくんなまんせ」なんて言ってただろうか。すばるとは、勾玉を連ねた首飾りのことらしい。しかし多くの人は、「昴」という題名で大ヒットした歌の影響を受け、この漢字で記憶し、以来良きにつけ悪しきに付け事あるごと冬の夜空に向かって、絶叫を繰り返すようになったという。中国の星座名は「昴宿(ぼうしゅく)」だと。
                                               参考書:石田五郎著「星の歳時記」


                                                       Photo by かんと氏

 散開星団とその背景にきらめく夥しい星の数。この星の中にはわれわれのような生命体が、どこかに存在しているかも知れない。
 この宇宙がなぜ誕生し、その膨大な時間の行き着く果てにはどのような終局が待っているのか、宇宙を眺めていると決まって湧いてくるこうした謎を、それと比べたら無意味とさえ思えるあまりにも短いわれわれの時間・生命とを重ね合わせつつ、冬の夜空を眺めながら考えている。

 山小屋「農協ハウス」とキャンプ場の営業に関しましては9月5,6日のブログをご覧ください。
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