
網状星雲 Photo by かんと氏
確かに、夜中に起きて10億年先の地球の未来を思い煩うくらいなら、酒でも飲んで寝たほうがましだ。それに前にも書いたが、50年、100年先の人類のことすら覚束ないと言われればそうなのに、このお粗末な思考力で億年まで行っては、本当に危ない。
しかし頭脳明晰なある人は、脆弱不安定な惑星である地球を捨て、広大無辺の宇宙へとフロンティアを求めて旅立っていく人類を予言する。またある人は、人類の窮極の課題は不老不死だと言い、そのためには肉体を脱ぎ捨てた幽霊のような未来人を語る。
どちらも快適なことだとは思えない。そんな未来に生まれるよりも、たとえ数十年の生命であっても、今の方を望む人の方が多いように思うがどうだろう。幽霊になって、愛だ恋だを語れるのだろうか。いくら億だ兆だの恒星を有する銀河でも、この地球のような美しい惑星が、ごろごろと他に存在するとは考えられないし、考えたくない。

白鳥座サドル付近 Photo by かんと氏
ところで、これだけ文明が進んでも、それを享受できる人よりもできない人の方がはるかに多い。独裁や専制に苦しむ人は絶えない。こうした問題に対する上手い解決の方法が見付からないまま、われわれは数限りない不幸をつくりここまで来た。
平和を求めることは正しい。戦争を嫌悪することも正しい。この無窮の宇宙で、われわれは貴重な存在かも知れない。だから、「生き続けなければならない」ということも分かる。しかしそうしたくとも、われわれの根源的なところに、もしかしたら致命的な欠陥が潜んでいるかも知れない、知的生命体の宿命として。攻めたり守ったり、守ったり攻めたり、そういうことがこの先も、まだ続くだろう。今この瞬間でも殺し合いは続き、祖国を捨て、安住の地を求めて彷徨する人がいる。
かんとさんの美しい天体写真には相応しくないことを書いたかも知れない。星空を眺めていると、いろいろなことが頭の中に浮かんできて弱る。
そろそろ紅葉狩りの計画を立ててください。秋の星空も魅力です。
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