入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

「秋」 (34)

2015年09月29日 | 牧場その日その時


  昨日の夕暮れ、山並みははっきりと見えていたが、薄い筋状の雲が御嶽や乗鞍、そして穂高や槍の頭上に棚引いていた。それ以外、暮れなずむ広い空には一片の雲もなかった。あの人たちは恐らく知らなかっただろう、あういう夕空にこそ、凄い夕焼けが現れることを。あの人たち、そう、以前にチラッと書いた映画の撮影隊の人たちのこと。
 その茜色の残光を西の空に眺めながら、山道をわざと遠回りして千代田湖に下れば、折しも東の空から極大満月・スーパームーンがなかなかの貫録を見せて昇ってきていた。
 途中、小屋に立ち寄った自転車乗りの夫婦を追い抜いてきた。ちょっとスピードの出し過ぎではと思ったが、あの人たちも美しい夕焼けと極大満月に見とれながらも、転倒せずに無事キャンプ地に帰っただろう。


  マユミの桃色の実が目に付くようになった

 そうだもう一つ、例の入笠の黄色の野良猫についても書いておこう。昨日の朝、牧場北門の数百メートルも手前で、その野良猫を見た。それまでそんな場所で目撃したことはなかったから、猫の活動範囲がまた広がったかと驚いた。ところがそれよりもっと驚いたのは、その日の帰り道、もうすぐ大ダオ(芝平峠)という所まで下ってきて、車のライトの中にその猫の姿が飛び込んできた。車で走れば15分くらいだが、歩けば2時間とか3時間とかかかるだろう。どういう行動をとったか分からないが、ほぼ1日をかけてそこまで来たようだ。
 ここにきて、山の夜は一段と寒さが厳しくなってきた。さしものノラも山中での暮らしを諦め、里に下る決意をしたのだろうか。うまく芝平にでも行き着き、あの集落の廃屋にでも落ち着ければよいが、そのまま舗装路を行けば人里に達するには遠過ぎよう。どういう経緯でいつから野良猫になったのか、冬を乗り切る術や知恵があるのか、何も語らないノラ。

 今日も秋空の下、気持ちのすっきりとする天気が続く。白樺や小梨の葉も大分黄色く色付き、山ブドウの葉は紅葉している。遠い昔、友達と山ブドウを採って、ブドウ酒を造ったことがあった。そして後日それぞれが持ち寄って、神社の境内で味比べまでした。思えばまだ、中学生のころだった。

 高橋さん、PH送ってくれたこと気付きませんでした。ありがとうございました。大谷さん予約届きました。お待ちしてます。巣鴨さん方からの極大満月、どうでした。

 入笠牧場の宿泊施設及びキャンプ場の営業に関しましてはカテゴリー別の「H27年の営業」を、また天体観測に関心のある方は「入笠牧場からの星空」をご覧ください。

 
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