勿体ぶっていた秋もようやく、今日は真っ青な空を惜し気もなく見せてくれている。ひんやりとした森の中に入っていくと、そこにもツタウルシの紅葉が始まっていた。この落葉松に絡みついたツタの葉も、一様に赤だったり黄色だったりするよりか、そこにまだ色付かない緑の葉が混ざっていたりした方がいい。そのほうがかえって、赤も黄色も、そして緑の色も、その色合いが落ち着いて見え、周囲の枯れた雰囲気ともほどよく調和するような気がする。
今日のような雲のない青い空の下のいつもの風景は、時間が停止してしまったかのようにまるで動きを感じない。それよりも、雨に濡れた草花や、それらの咲く林の中にいたほうが、よほど季節の繊細な動きのようなものが伝わってくる。
昨夜が中秋の名月であったことをうっかりと忘れていた。しかし、かろうじてだが、月を見損なってはいない。客を送りがてら名月を見て、客が「今夜は満月かな」と言った記憶が残っている。満月を新月から15日としているから実際とは違うこともあり、事実、今夜の月が本当の満月で、さらに楕円軌道を描く月が、最も地球に接近するスパームーンの日でもある。
ここの夕焼けは紅葉に負けない。今日の3枚のPHはF.R君の作。
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