入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

   ’18年「春」 (55)

2018年05月03日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

             Photo by Ume氏

 今朝はいつもより1時間ばかり早く来た。捕獲した6頭の鹿の殺処分をすることになっていたからだが、予報によると、天気は荒れるということだった。別の日を提案したのだが、農作業が始まり忙しくなるので先延ばしはできないと言われ、折れた。幸い、予報の「大雨」は止んでいる。
 予定通り、6頭の鹿の処分を5人の男の手をかけて無事終えた。雨中を覚悟したが、そうならずに解体も済ませた。しかしこれは、狩猟などではない。有害動物駆除という「仕事」なのだと、雨が濡れた衣服を通して身体にじくじくと沁みてくるように、身に沁みて感じた。
 
 さて、昨日の野焼きの顛末をもう少し。思案、逡巡を続けた挙句、遂に抗しきれず、少しばかりのカヤを集め、恐るおそるマッチで火を点けた。と、途端にメラメラと火は舐めるように拡散していった。慌てて手にしたゴミかきで打ち消そうとすると、火の粉が飛び散り、予想外の所までが幾箇所も燃え出した。竹製のゴミかきは少し前に根元が折れて使い物にならず、代わりに家から持ってきた針金製を使用していたのだが、これが微妙に使い勝手が違うせいもあって焦った。畳6枚分くらいが燃えるのは、あっという間だった。夢中で火を消しながら、消し止めれなかった場合の自分の無様な姿を頭の中で考えていた。
 牧場での野焼きが初めてというわけではなく、それだけに火の怖さを知り、体験したつもりでいた。ほんの試しのつもりだったが、枯草のあまりの燃えのよさに驚き、恐れをなした。ようやく何とか火を消し終えると、それ以上続ける気などは鎮火と一緒に、失せてしまった。
 さて、それでまだ安堵するわけにはいかなかった。辺りには古い鹿の落とし物が散乱していて、これは熾火のようにかなりしぶとく、風などで燻り、燃えだすことがある。これは、その後の野焼きの経験から学んでいた。で、危なそうなのを、手でつまんでいちいち確認した。そうこうするうちに、ポツリポツリと雨が降ってきた。
 一人で野焼きをするのは、自己確保もないまま単独で岩登りするようなもので、誰も喜ばない、やるべきでないというのが今回の結論となった。
 
 天気予報については、明日また一言。
 
 FAXでも予約や問い合わせに対応できるようになりました。ご利用ください。今月末からの連休は今年も、さまざまな野鳥の美しい声に混ざり、閑古鳥の鳴き声もしてます。
 入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。

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