来る時には薄日が射していたのに、また梅雨空に戻ってしまった。午後からはかなり激しい雨になりそうで、この鬱陶しい時季が終わるのはやはり明後日になるのか。
小屋に2泊したMさん夫婦が先程帰っていった。雨に祟られたが、それでも牧場見学ができ、昨夜は思いがけず素晴らしい星空を眺めることができたと喜んでいた。二人は所謂ここのお馴染みさんで、大概は7月の連休に来る。帰り際に改めて、ここはいつが一番良いかと聞かれたので、春の木の芽時と秋の紅葉ではないかと答えたら、夏はどうかと言うので、夏は星空と谷川だろうと返事をしておいた。
猛暑の都会で暮らす人たちにすれば、標高2千メートル近い牧場は涼風が吹きわたる魅力的な別天地と思うだろうが、ここにいればそれほど暑さを感じないで済むし、他の季節と比べ単調で退屈な緑一色の森や林は、代わり映えしない立候補者の選挙演説のように味気なく見える。1年のうちで夏と冬が一番好きだった時代はとっくに過ぎて、1ヶ月足らずの短い夏がまだ来ないうちに、その次の季節をもう心待ちにしている。そして今年の秋は牛が下りたら、少しゆっくりとどこかへ旅にでも出ようかと考えている。
ついに雨が降ってきた。今、入笠山観光連絡協議会が発行している「入笠山」という最近改訂された案内図を見ている。この協議会は伊那市と富士見町の行政、JA上伊那、それらに山小屋で組織する組合の理事者も加わっていると聞いた。
どうも一見して伊那市側はおざなりで、かつ不正確である。なぜこの案内に鹿嶺高原や高遠城の写真まで入っているのか理解に苦しむし、鹿嶺高原トレッキングコースなどという、年間に一体幾人の人が通るか分からない山道に「北岳が見える」とか「伊那市が見える」とか、愚にもつかぬ説明が付いている。伊那市側の法華道など1本の破線だけで完全なやっつけ仕事、あれだけ言っても「御所平峠駐車場」はそのままだ。しかも、そんな不出来な案内図もここには届かない。
昨日も、道を尋ねて4,5名の中高年の女性登山者が来た。その前には、古い案内図を口実に、4人の自転車乗りが他の人の止めるのも無視して牧場内を通り抜けた。まだまだいろいろある。気が滅入る。雨の降り方も一段と強まってきた。
小屋は、当面ですが8月は9日から12日、14日から17日(予備の仮押さえ)、21日から23日、そして9月は4日から6日、が貸切りで埋まっています。どうしてもという場合、他に10畳2間あります。また変更の可能性もあり、予約時に確認願います。
営業案内 「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」およびその(2)です。下線部をクリックしてご覧の上、どうぞご利用ください。