入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’21年「秋」(25)

2021年10月02日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など

                              Photo by Ume氏

 2ヶ月単位で表示される月めくりから9月が消えて、新たに11月が加わった。11月とくればまだ1ヶ月先ではあっても、そのころには氷も張るようになる。冬の到来を心身で感じているだろう。そうであれば、これからの1か月は長々と待ち望んでいた季節であるだけに、その一瞬さえも眺め、噛みしめ、味わい、愛で、短い時を慈しみたい。
 
 去っていった9月は、慌ただしく呆気なく終わった。早くから大型の台風が来るぞくるぞと散々に警戒を呼びかけられその度に緊張し、それでも、囲いの中の和牛が激しい風雨の中、平然と草を食んでいる様子を見て、感心したり、安心したりした。
 今朝6時半の気温6度、快晴。この気温は、秋も大分深まってきたということか。まだ周囲の灌木や木々の葉は黄色が主だが、北門の近くのモミジは一部では早くも赤く色づき始めた。存外今年の紅葉は早いかも知れない。



 今、落葉松の林の間から鋭い朝の光が射し込み始めた。昇ってくる位置が大分東に移動し、季節の移ろいが人間の感覚よりか早く進んでいることを教えてくれている。そのうち遠くの山から初雪の便りも届くだろうが、その前に澄んだ青空の下、標高の高いところから山肌の色が赤味を帯び、その色が次第に低い方へと下っていってからだろう。急かすことはない。

 よく紅葉のころはいつごろからかと訊かれて、返答に困ることがある。念のために昨年の日誌を開いてみたが、そういうことはどこにも記されてなかった。驚いたのは、たった1年前のことであったのにすっかり忘れていたが、昨年も8月から11月の初旬まで、暮らしは山が中心だったことだ。
 10月6日が下牧で、18日に北ア、中ア、八が初冠雪とある。昨年は残留牛が2頭出て、その牛が里へ下りたのが11月の2日だともある。これはもちろん、様々な苦労も含めて忘れていない。追い上げ坂の草刈りをやったり牧柵の冬支度や、鹿退治等々と、牛が下りてからも結構忙しくしていたことが分かる。それと、きょうも撮影の下見があるが、昨年もその方面の仕事があって、牧を閉じてもゆっくりと秋を味わってはいられなかったかも知れない。

 Ume氏はきょう、仙丈岳に1泊の予定で行っているはずだ。本日はこの辺で。明日は沈黙します。
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