入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’21年「秋」(28)

2021年10月06日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


「真夏日が戻ってきた」とか「夏日が続く」と聞いても、さして気にすることもなく暮らしていた。まだ季節は夏のすぐ隣りにいるものと思っていたからだが、ある時「季節外れの天気」と気象予報士が言うのを聞いて、それまでの季節感が一変した。ここでも8月は夏だとしても、その次に来る9月を季節と絡めて意識することなどあまりなかったことに気付いた。
 思い返せば、9月は悪天ばかりが続き、大型と言われる台風も来た。牛たちは牧区の移動を2度もやり、挙句には25頭が大脱柵までしでかして、そして月末に無事山を下っていった。自粛要請を受けてキャンプ場や小屋の営業は極力控えてきたがそれでも、細々と続けた。CMやPVの撮影の仕事もあって牛がいてもいなくても暇ではなかったた。
 それであるのに、9月はあまり印象の残らない雨ばかりの鬱陶しい1ヶ月だった。その1ヶ月を勘定に入れてなかったからうっかり夏はまだすぐ「隣り」にいるものと思っていたのだが、すでにその季節はずっと遠くへと去っていたのだ。秋の真っ只中、時の移ろいの速さを改めて感じている。

 S崎さんの奥さんの都合が悪くて3人になった海老名出丸さん一行は昨日、早朝の雲海に目を見張り、千畳敷では快晴のもと氷河の削った圏谷の散策を楽しみ、帰ってからは期待通りのもの凄い夕焼けをここでも目にすることができた。それに一昨日焼合わせで見たツタウルシの紅葉は「今までで一番良かった」とも言っていたほどで、いいことづくめの秋の旅になりそう、何よりだ。昨夜は星の写真も撮ると言っていたがどうなったか。
 春、夏、秋と今年は3回も来てくれ、その上、海老名出丸さん夫妻などは20年以上もここに飽きることなく通い続けてくれている。確かに車があればここを基地にして、入笠近辺だけでなくいろいろな場所へ出掛けることもできる。今回も小屋泊まりで3泊4日の余裕のある旅とあれば、きょうも里へ下り、温泉と蕎麦を楽しむ予定のようだ。

 きょうは、昨日撮影の下見で行けなかった高遠へ下る。さすがにここでは夜間や早朝は火の気が欲しくなり、また越年を含む冬期の営業も一応頭に入れて、石油を運び上げることにした。
 まだまだ「姫君の秘められた恋」のような秋は続くも、山はもう、早くもそういう準備が必要になってきた。周囲の黄色を主にした色彩は、秋の深まるのにつれて少しづつ赤色に変わる。遠い昔、北米大陸の片田舎で、黄色ばかりが目に付く秋の中、道草を食っていた旅を思い出した。
 本日はこの辺で。
 

 
コメント
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