入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’21年「秋」(35)

2021年10月15日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 コナシに朝日が射し始めた情景、早朝の第3牧区で偶々目にした。撮影の予定が近くであったため、動線を決め、その整備に訪れた後のことだったと思う。今ではなぜこんな写真を撮ったのかよく説明ができないが、しかしそれは、実景とこの写真との間に大きな落差があるからだろう。実際は1枚撮ってみたいような気にさせられたのだから。
 一昨日はひどい天気だった。昨日は少し回復し、きょうは快晴となった。「嘘のように」と言い方があるように、昨日は「渋い」と呟いた周囲の景色が今は「嘘のように」輝いて見える。まだ枯れない牧草の緑と、樹幹が目立つようになった背後の赤茶けた落葉松の林、そして青い空、どこかから鹿の鳴く声や、小鳥の声まで聞こえてくる。まさに絶好の秋日和だ。

 今回の撮影もまだ発表前のため、制作者側との約束により詳細については呟けない。できることと言ったら、せいぜいが撮影状況ぐらいで、と言って、ここでそれを呟いてみても聞くに値するとは思えない。とにかく準備、撮影、撤収に4日をかけ、その間には激しい雨で続けることができるか危ぶむ声も聞くと言った、苦労の多い仕事だった。
 作品化したものはそういうことを語らないが、この仕事の多くは地味で、骨の折れる、長時間に及ぶ肉体労働で、長い時間をかけて機材の撤収が終わった最後の夜、その分かれ際、翌日からはまた別の仕事が入っていると、若い制作担当者は当然のように言っていた。今ごろ彼らはまたどこで、新しい仕事に肉体と神経をすり減らしているのだろう。さんざん吠えたが、最後はいい別れができた。

 裏番長が種平小屋へ行くと言って立ち寄ってくれた。丁度頭を刈るためスポンポンになっていたので、かなり慌てて衣服を着、失礼のない対応をした。実に久しぶりだった。今年の越年には、イッコク番長も一緒に出掛けて来るかも知れない。
 また、彼女と同じく鹿嶺高原から来たという女性の単独者にも会った。このごろ、こういう人を目にするが、女性の単独が流行っているのだろうか。

 これから14日ぶりに家に帰る。里までの山道、少し遠回りしてのんびりと秋を楽しみながら下る。本日はこの辺で。
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