入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’21年「秋」(30)

2021年10月08日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 元来が注意力が足りず、落ち着きがないと言われ続けてきた。年を取れば、特に注意力の方は救いがたく、冷蔵庫に押し込んだ物を開けるたびに落としたり、こぼしたりと、毎日のように自分を叱る日々が続いている。
  風が吹いた、小鳥の声がする、月の光がどうしたこうしたもいいが、こんな呟きを誰が聞いてくれてるかも分からないまま、たまには愚にもつかないこんな失敗談でも。
 
 先日、ネズミが台所のゴミ箱の辺りでゴソゴソやっていた。以前から頭に来ていたから、この野郎とばかりに熊スプレーを見舞ってやった。そして厳重に蓋をしておいた。
 その翌々日だったか、臭いの残るゴミ袋の中にはすでにネズ公はいないことを確認の上、焼却炉に代用しているドラム缶にゴミの詰まったその袋を持っていき、燃やした。
 それから大分時間が経って、いつものように管理棟で作業日誌を付けていたら、局所がヒリヒリとする。最初は原因が分からなかったが、しばらくしてようやくその理由に思い付いた。あの熊スプレーである。燃えている火から離れられず、小春日和の林の中で小用を足した際、ゴミ袋に付着していたカプサイシンが手を経由し、迂闊にも急所にまで及んでしまったのだ。
 いや、その威力の凄さ、購入してから10年以上は経っていたのに恐れ入った。アラスカでも、ヒグマを対象にした熊スプレーの実演を見たことがあったが、さしもの狂暴なヒグマでも黄色い煙を発射させられてたじたじになっていた。急いで風呂場に走り股間に湯を浴びせた。そしたら、さらに驚く羽目に。小僧奴が大火事になってしまった。
 湯ではなく、水にすべきだったのだろうが「今はもう秋」、それでは風邪をひいたかも分からない。

 昔何かの本で読んだ記憶だが、アメリカで暴漢に襲われた女性が、護身用に持っていた熊スプレーを浴びせたら、それが過剰防衛にされてしまったという。まだクマには試したことはないが、威嚇を止めない雄牛にならある。一目散で逃げていった。
 そのくらいこれは強烈で、万一クマと遭遇したからといって風向きも考えずに発射すれば、クマから身を守る前に、自分の方が唐辛子の成分にやられてしまうだろう。目は涙で見えなくなるし、咳き込みもしばらくは止まらない。クマに齧られる痛さにも負けないかも知れない。
 
 写真と独り言はできるだけ関連させたいと思っていて、またしてもそうならなかった。悪しからず。乗鞍岳にも詫びておこう。
 本日はこの辺で。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする