入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’21年「秋」(40)

2021年10月22日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 昨日用事が出来て里に帰った。今朝来る時に見たら、西山には冬が近付きつつあった。経ヶ岳には雪はまだだったが、その山肌は一段と赤味を増して、紅葉が日に日に山を下りてくる様子が伺われた。また、それより標高の高い西駒や空木岳は薄っすらと冠雪し、恐らくあれが根雪になるのだろう。
 この天竜川の西に連なる山脈は、中央アルプスと呼ぶよりかも、小さいころからずっと呼び慣れた「西山」の方が馴染み深く、耳に心地よい。同様に西山の主峰「駒が岳」は木曾でなく「西駒が岳」である。「ふたつのアルプスに挟まれた」が伊那市の枕詞としても使われるように、両駒ケ岳は、南アルプスの方を「東駒」、中央アルプスにあるのは「西駒」と古老から教えられ慣れ親しんできた。であれば、軽々にそれらの名前を片仮名語などでは呼びたくない。
 
 牧のことを措けば、気になっているのは家の柿の実と赤坂狭の紅葉だが、柿の実にはまだ椋鳥は来ていなかった。まだしばらくは大丈夫だろう。何でも種平小屋の奥方が、熟した柿の実を利用して酢だか何だかを作りたいという申し出を承っている。その彼女と今朝来る時、赤坂狭で偶然に出会い、柿の実については状況を伝えておくことができた。
 種平小屋はここでも時々紹介しているが、赤坂狭から山室川を右に渡り、そこに流れ込む「栗立ち川」に沿って上って行けば最奥にある。古道・法華道の赤坂口でもある。
 因みに法華道はこの荊口の赤坂口と、さらに山室川の上流にある芝平の諏訪神社からも登り口があり、二つの古道は、御所平近くで合流している。どちらであれ一度でも訪れたらその静まった古道の趣に魅了されるはずだが、あまり訪れる人はいない。喜んでいいのか、悲しんでいいのか。
 
 もう一つの気掛かりなのが荊口の赤坂狭から始まる紅葉で、これは毎年見逃したことがない。今のように、上でばかり暮らしていると気が気ではないが、今日見た限りではまだもう少し先のようだ。この山室川に沿った紅葉は、赤坂狭ばかりか人気の絶えた芝平の廃村に至る辺りでも見掛けることができ、それらを燃えるような激しい、秘められた姫君の恋になぞらえたらよいのか、はたまたあの集落を捨てた人々が故郷へ寄せる熱い思いの象徴と見たらよいのか。ともかくもあの紅葉を目にすれば、美しさいうよりかも散りゆく寸前の訴えるような激しさを感じてしまう。
 
 赤羽さん、有難く通信落手しました。そんなふうに受け取ってくれる人が一人でもいれば、有難いことです。かんとさんは、品行方正の見本のような人ですが、さらに日ごろの行いに気を付けて来て雨男を返上していただけたら幸いです。待ってます、クク。
 本日はこの辺で。
 
コメント
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