Photo by かんと氏
久しぶりに真夜中の2時半、今夜は強い酒を湯で割って飲んでいる。少し前、月明かりに誘われて外に出てみたら初霜が降りていた。西の空に傾きかけた月の光はまだ衰えていなかったが、それに代わって中天にはオリオン座が見えていた。今年もひと冬を、あの星座を眺めながら夜の散歩を繰り返すのだろうか。
気温は昨夜の段階ですでに零度まで下がっていた。キャンプ場の排水弁を開け、管理棟の台所の水も流しっ放なしにしておいたが、10月はまだ10日もあるというのにこんなことをしたのは過去に記憶がない。
そういえば、牧を閉じるまでに残り1ヶ月となった。いくら長い秋を望んでみても、季節は確実に過ぎていくようだ。
午前6時。戸外の2個ある温度計はどれも零下4度を指し、それだけでも充分なのに初霜が今朝の寒さをさらに上塗りしていた。星の消えた空には帯状に幾筋もの雲がたなびき、薄赤色の朝焼けはきょうの好天を約束してくれているのだろうか。
この寒さのせいだったか珍しく、ついに眠られぬまま夜明けを迎えた。ストーブを点けたというのにまだ背中がすうすうとする。今週末、キャンプの予約が1件だけ入っているが、都会の感覚で来ると酷い目に遭うのではないかと気になる。いざとなれば小屋を利用できるのがここの強みだが、そんなことを知っているのかどうか・・・。
covid-19のせいで、キャンプの人気が高まっているという報道を何度か目にし、耳にした。随分と贅沢三昧のキャンプ場もあり、サウナ風呂まであると聞いて驚いた。人を呼ぶため、売り上げを上げるために、あの手この手の努力も分からないわけではないが、一過性の人気で終わらなければ良いのだがと思う。
近年薪ストーブの人気が高まっていると聞く。一冬それを使用するとなれば、すでに薪の準備は当然終えただろう。まだガスなどなかった子供のころは、南裏に薪の山を積んだものだった。大根や、野沢菜などの漬物はどうだろうか。それほど多くはないが、友人知人に干し柿やリンゴを送って貰う手配もしなければならない。
気象予報士はこの寒さを11月並みだと言っていたが、いつもよりか早い冬を迎えることになるのかはまだ分からないものの、忙しい里の様子を想像しながら、前年の作業日誌などを参考にして残り1ヶ月の予定を立てなければならない。そういう時季が来た。
本日はこの辺で。