渋い秋、季節がここまで進むとそう言いたくなる。焼合わせのツタウルシの紅葉もそろそろ終わりかなと思いつつ、幾日ぶりかで用事があってその先の池の平(メド淵)まで行ってきた。かなり落葉してしまって、確かに「燃えるような」と言うな時季は過ぎていたが、それでもまだ主役の座を守ろうとしているのか気丈な赤い葉が、霧の立ち込めたあの落葉松の林を飾っていた。
また途中の座頭の谷では、いち早くツタの「黒紫」色が目立ち、ウルシやハゼも燃え始めていた。モミジとカエデの区別はよく分からないまでも、緑の葉が枝先から少しづつ赤く染まるように、あの人の言葉でなら「匂うように」一歩遅れて色付き始めていた。
今年も15日から千代田湖・オオダオ(芝平峠)間が通行止めになり、千代田湖からは未舗装の千軒平経由で来るしかない。また、いつも通勤に使っていた荊口、芝平を抜ける山室川沿いの道も、小豆坂トンネルが工事の為通行止めになるらしい。この山道を行くには高遠城直下を右折し、白山トンネルを抜けてまず美和ダム近くの非持に迂回し、それから長谷、山室と来て小豆坂トンネルから来た道と合流することになる。
こうして文字にしていても混乱するほどだから、果たして他所から来た人が入笠まで安気に秋を楽しみながら来ることができるのだろうか。また、伊那側から入笠へ来るための二つしかない道(現在戸台からは通行止め)を、なぜに今年も、しかもこの時季に、同時に通行止めにしなければならないのか全く理解ができない。
確かにこれらの林道は10数㌔に及ぶ長さで、行政が予算繰りに苦慮したり、段階的に進めるしかないことは分かる。凍結の時季を避けるために、工事請負業者は少しでも早く工事を始めたいだろう。
しかし、富士見側は交通規制下に在って通行が制限されている今、これらの工事は一体何のためなのだろうか。行政の思惑は別にあるかも知れないが、取り敢えずは伊那側から入笠へ入山する人たちのためと見ていいだろう。富士見側から比べたら、まだ入山者の数は圧倒的に少なくも、深まる秋を楽しみにして訪れる人たちの中には、この伊那側の経路を利用する人たちもそれなりにいる。
毎年のことながらあまり無粋なことばかりせずに、もう少しこうした要件も検討した上で、関連する各部署ともよく連携して工事を進めてもらうことはできないだろうか。
赤羽さん、Ume氏には通信を伝えておきました。喜んでいました。
入笠牧場の山小屋、キャンプ場は只今営業中です。本日はこの辺で。