毎年この時季、同じことを呟いている。ソメイヨシノのような大きくて賑やかな花よりか、山桜のように小さめの楚々とした花の姿の方が好きだと。「花の下にて」死にたいと願ったあの人の言っていた花も山桜だと、何かの本で読んだ記憶がある。きょうそんな花を山からの帰りに紅葉湖まで下りてきて見付けた。
仕事が始まるまでに残り1週間となり、雪の状況を見にまた山に出掛けた。覚悟していた通り、焼き合わせを少し行った所で残雪に阻まれて引き返してきたが、それでも前回からたった1週間で雪は想像以上に融けていた。あの分なら、恐らく来週の水曜日、仕事始めの日は、ド日陰の大曲くらいまでなら車でも行けるだろう。
帰りは芝平に下らず、工事中のため迂回路を通り千代田湖に回り、高遠の街は花見客で混雑するだろうと、さらにひと山超えて守屋山の脇を抜け、紅葉湖(もみじこ)へ出て帰ってきた。至る所が春の息吹で溢れていたその中でも、杖突峠に至る藤沢の谷では、予想よりか早い落葉松の芽吹きを目にした。
本日はこの辺で。