入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’22年「春」(34)

2022年04月18日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 若い女性、もしくはせめて若い男性ならまだしも、限りなく老人に近い男二人をアップで載せることに躊躇した結果が、この写真である。この入浴写真についても後に触れるが、画像の半分を占める難しい漢字の本は、この背景の怪しい男たちの入浴シーンと関係する。
 本の題名は「こどうそんそ」と読むのだそうで、古道は「法華道」を意味し、「樽俎」は「酒や料理が並ぶ宴会の席」と同書に説明されている。四角張った句会ではなく、むしろこの会においては俳句は酒宴の肴程度のものと言った、独特の照れ、面映ゆい気持ちががこの題名には込められているのだろう。
 
 以前にも呟いたことがあるが、入笠を経由して伊那と富士見を往還する古道「法華道」とこの俳句の会との関係は深い。その句会の開催がついに200回を迎えたということで、それを記念してこのような句集が出た。発足当初に多少の関りを持ち、その後飛び出たのか、追われたのか、いずれにせよそのせいでこの会は今日まで延命存続し、記念号までが発行されるに至った。
 大いなる喜びを噛みしめ、恥ずかしながらその樽俎の末席にまで加えてもらった。有難いことだ。

 先週の土曜日はその祝いも兼ねて、主宰のSD君、句集の編集者TDS君と、北信濃の温泉に行ってきた。句会「法華の会」が湯の花のごとく誕生したのは、実はこの温泉巡りがその大いなるきっかけとなったからである。
 しかし「温泉十か条」などという温泉について独特の評価基準を作ったのは許されても、「大日本湯渡り党」などという大それた名の会まで結成し、その「総裁」までも・・・、いやはや。既存の政党をからかいたかったのか、今では思い出すこともできないが汗顔至極、アラスカの氷で冷やしたくなる。

 小雪の舞う、春まだ浅き北信濃の温泉はもちろん素晴らしかった。加えて、そこに至る風景も実に良かった。間近に迫る山々、白い激流が削った深い谷、残雪と落葉したままの樹々の山肌、豪胆な太筆で描いたようなモミなどの常緑樹、そこに鄙びた人家が小さな集落を作っていた。
 人生で最も不満のなかった60代がまた帰ってきて、そこにしかし足りない人の顔を思い浮かべ、過ぎてしまった短い時への懐かしさを感じていた。

 キャンプ場を含む「入笠牧場の宿泊施設のご案内」は下線部をクリックしてご覧ください。
 本日はこの辺で。 

 
 
 
コメント
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