入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’22年「春」(30)

2022年04月12日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など
 昨日は好天に誘われて久しぶりに散歩に出た。以前は夜間に、写真に写っている橋の上を歩き、そこから桜の開花を見下ろすようにして待ったものだが、昨日は真昼、いつの間にか開花した花を目線を同じくして眺めつつ、もっと山付きの、それも花の多い道を歩いた。約1万2000歩、9㌔ほど。



 散歩中に目にした「西山」と呼んでいる、経ヶ岳を中心にした中ア北部の山も大分白い領域を減らしつつあった。先週の幾日も続いた晴天のお蔭だろう。
 その山々を見て、入笠の雪の状態を想像するのがこの時季の癖になっていて、今週は週の半ばに天気は崩れるようだが、その回復を待って上に行ってみようと昨夜カレンダーを見て驚いた。うっかりまだ先のことと思っていたのに、来週水曜日から仕事を始めなければならないと知った。雪の量などは最早関係なくなってしまった。
 
 運がよく、ド日陰の大曲まで車で入ることができればよいが、もしそれよりか手前になると、例えば焼き合わせ、あるいはもっと手前の池の平、下手をすればオオダオ(芝平峠)、となれば行くだけで一仕事になる。ド日陰からなら3㌔程度だが、焼き合わせからだと5㌔、池の平からなら6㌔で、昨年末、越年のため峠と池の平の中間点から歩いた時はスキーでも小屋まで4時間以上かかった。
 
 ド日陰からなら3㌔といっても、これはほぼ例年のことで、なぜかそれほど苦にはならない。むしろ初日は忙し気に飛び回る鳥の声を聞きながら、楽しみにしてあの距離を歩く。残雪の山道は通い慣れているし、芽吹き前の木の間から射しこんでくる明るい春の光は鮮やかで新しい。北門の少し手前で、まず正面に御嶽山と乗鞍、そして穂高から槍へと続く山々の連なりを見て、さらに進むと北アは後方に去り、中アの銀嶺が光線の加減で朝日を浴びてさらにいっそう輝いて見えてくる。北門を抜けてやがて「貴婦人の丘」に対峙すると、確か谷間の遠くに小屋の赤い屋根も見えるはずだ。
 
 思い出してみると、初日が悪天だった記憶がない。そういう天気があったかも知れないが座頭沢の最奥、実際は木漏れ日の中でそれほど明るいわけではないはずだが、今ここで浮かんでくる情景はいつの春も明るい。大きく二度曲がりながらゆっくりと勾配を上げていく谷、年によっては冬の間に崩落があったり、倒木があったりした記憶もないわけではないが、雨に祟られたという覚えがない。
 今年もそうであって欲しいと願いながら、あの谷や牧が目に浮び、近付いてくる。
 本日はこの辺で。

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする