入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’22年「春」(39)

2022年04月23日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


  連休が終わったらとか、あそこの枝垂れ桜が咲き終わってからなどと考えていたが、里に帰らず上で暮らすようになるのはもっと早くなるかも知れない。やはり、通勤に要する時間が往復2時間半はかなりの負担になるからで、ここまで来る間に自然の細やかな変化、移ろいを楽しむことができるのは有難くも、毎日があわただしく、もう少し余裕が欲しい。
 昨夜も7時ごろ家に帰り、夕食後気が付いたら滅多にしたことのないうたた寝をしていた。そのせいでか、午前3時に目が覚め、しばらくそのまま布団の中にいたが、面倒だからと4時半ごろには起き出した。そして朝風呂に入り、朝飯と弁当を用意し、天気もよいからといつもよりか1時間以上早く家を出た。
 こんな生活では余裕のないのも当然かも分からないが、里と山との往復に使う時間を朝夕ここで過ごす時間に回せば、もっとゆっくりとできて身体的にも楽だし、仕事以外のことも少しはできるかも知れない。それに、ガソリン代が大分値上がりしているから、それを節約できることはなによりも大きい。個人的なことは大雑把だけれど、牧場の状況がそれなりに分かるから、こういうことには気を遣う。長年の務め人だった習だろう。

 昨日、何より水は人にも牛にも欠かせない大切なものだから、少し遠い水源に様子を見にいってきた。これまでにも一冬の間に水脈に変化があったり、地中に埋設してある水道管が破裂したりと予想外のことがよく起こり、本当に、牧場の管理と同じくらい手をかけて来た。今年も、一箇所破裂したが、これは大したことはない、すぐ直る。
 水源のある渓へ下りていったら、近くを流れる瀬の音が耳に届いてきた。何とも気持ちの和む澄んだ水音で、水量や流れる渓の状況で音は変ってくる。テンポのゆっくりとした木琴のような音から、瀬を急ぐ水のピアノに近い音まで、清澄な水の演奏分野は広くて深い。
 取水枡の重いふたを開けたら、透明な水がこんこんと湧き出ていて、それを見た時の安堵感というのか、感動というのかは、先日ようやく林道の雪崩の跡を何とか通過できるようにした時以上に大きかった。手の切れるような冷たい水を1杯だけ掬って飲んだ。ウイスキーをドボドボと枡の中に注いで、その水割りを飲みたいと思ったほどだった。
 露天風呂の補修が済めば、ここの水が流れ下って柔らかな極上の湯に変わるだろう。
 
 まだ連休の予約は間に合います。
 キャンプ場を含む「入笠牧場の宿泊施設のご案内」は下線部をクリックしてご覧ください。
 本日はこの辺で。明日は沈黙します。

コメント
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