
目が覚めたら、すでに夜が明けていた。4時を少し回っていたようだ。もうひと眠りしようとして寝付けず、挙句に別なことを思い付き、それを打ち消そうとしたがそうならない。しばらく布団の中で思案を続けていたが、結局は起きることにした。
生来、気は短い方だ。それに加え年齢のせいか、増々せっかちになってきている。昨日もいろいろと厄介なこと、不快なことがあり、そんなことをあれこれと思い出しているうちに眠気が去ってしまった。そして、もう一人の自分がそそのかすのだ、テイ沢へ行ってみないかと。
普段はあまり信用してない天気予報も、それには一役買って背中を押した。
先日の大雨で、10か所に架けてある丸太橋の中で、流失したのは2か所だと思っていた。ところがテイ沢から来た登山者によれば、上からなら一番目の橋、下からなら最後になる10番目になる橋も流されているという。しかも、最初の橋のあった沢の渡渉に「最も苦労した」というではないか。
下から9番目の橋に使った丸太のうち、1本は腐りかけていた。しかし、それの代替になる丸太が最初の橋を渡ったばかりのところにあるのを知っていた。もう、気持ちは行くと決まっていたからそれを担いでいって、その後ついでに一番上流の橋のあった場所まで足を伸ばし、流失した橋を探してみることも朝まだ早き入渓の理由とした。
沢は爽快この上なく、水量はすでに落ちて、快い水音を立てて流れていた。やはり来て良かったと思った。もしかしたら短いかもと案じた目当ての丸太も、4メートルそこそこはありそうで、思ったよりか軽くて運ぶのには助かった。
9番目の流れた橋の丸太と同じ場所に担いできたのも置いて、さらに上流へ向かうことにした。この9番目と10番目の橋の間が一番長く、前回は大雨の前に倒木の処理で、最終の橋よりかもっと先まで来ている。
「三筋の滝」を巻いて少し行くと、沢の流れの中に1本の流木と一緒になって丸太橋らしきが流れに正対するような格好で目に入った。この橋もバラけてなかった。
4本の丸太を結束していた番線を1本づつ切り、大水が出ても流失しない場所へそれぞれを移した。1本はもう使うのを止めた方がいいと思ったが、他の3本はまだまだしっかりしていた。
その後、橋のあった場所へ行ってみた。小さな子供2人を連れた親子、運動神経など脂肪に奪われてしまったような60代のご婦人も通っている。滑って手や足を擦りむくようなことはあるかも知れないが、しばらくはそのままでもいいと思いながら帰ってきた。
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本日はこの辺で。