入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’23年「夏」(15)

2023年06月19日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 雪の法華道は何度となく歩いているが、この時季にこの古道を下るのは2度目、そして登るのは初めてのことであった。
 元芝平の住人だった人を中心に、この歴史の道を歩こうということになって、ついては不案内だからと同行を求められた。この人たちの中には、「法華道を守る会」の会長である遠照寺の松井住職、また故北原師の長女と次女も含み、総勢10人だと出発を前に連絡が来た。
 現在、先日の大雨のために車ではオオダオ(芝平峠)から芝平の集落へ下ることはできず、そのため法華道を下り、途中で一行を迎えることにした。「爺婆の石」もしくはそれより下った「門祉屋敷」辺りを目途にし、「門祉屋敷」まで行けたなら、前から気になっていた芝平発祥の地だと言われているその跡地を確認するつもりでいた。
 
 門祉屋敷には1時間もしないうちに到着した。それで案内板に従い、急な下りを試みることにした。以前にも何度かそれらしきを探してみたが、北原師の言う場所には行きつけなかった。しばらく下ると下方に僅かな平地があり、恐らくはその場所だろうとして遠い時代の山の住人のことを考えた。
 前々から諏訪大社は鹿とは深い関係にあった。祭祀には欠かせなかったし、同社は「鹿食免」という札を発行していて、肉食を禁じられていた時代でもそれを入手すれば鹿肉を食することができたと伝えられている。
 あの場所に住み着いた人たちをそんな故事と結び付けてみたが、今となってはそれを確かめることもできない。

 結局そこで40分くらい待って、10時半ごろに皆を迎えた。思いがけず知った顔が二人もいて、喜んだ。
 途中の法華道はアカマツやクヌギ、ナラなどがつくる緑の中、あくまでも深い静穏が保たれていて快かった。それに至る所に今を盛りと咲くクリンソウが目を癒してくれ、後方の女性たちの声がその度にし、知らなかった季節の古道の魅力を新たにしたものだ。
「門祉屋敷」からは約2時間ほどをかけて御所平峠に着いた。峠では北原師が背負い上げた地蔵に対して松井住職の上げる読経の声を聞きながら、1年前にはその当人も横にはべっていたことを思い出し、懐かしく聞いた。
 そこで昼食と決まり、最終目的地の高座岩は省いて案内人の役を解いてもらった。
 
 爽快な気分で帰ってきたら、何と11頭もの和牛の群れが林道を歩いていた。脱柵である。この後の顛末は省略するが、登山者もいたとしたら人も牛もさぞかし恐ろしい思いをしただろう。

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 本日はこの辺で。
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