入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’23年「冬」(24)

2023年12月06日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 冬の日射しが暖かい。空は晴れ渡り、風もない。
 
 家の西側の傾れ(なだれ、傾斜地)に生えていた灌木、雑草と、昨日来ずっと闘ってきた。今年の春から繁るに任せ放置したままだったからかなりの量になった。風のない朝早いうちならいいだろうと、それらを少しづつ燃やすことにし、ついには大方を片付けてしまった。
 その昔はこの辺りまで暴れ天竜の支流が流れていたと聞いたことがあるが、今では大型の量販店が幾つか来て、かつての田園風景を変えてしまった。
 
 野焼きは原則禁止であるとは承知している。だから昨日は、集落の背後にある一段高い里山に持っていって捨てた。
 もちろん他人の土地ではなく、地目は「原野」ながら、ここに小太郎とHALが眠っている。先祖の墓には行かずも、この2匹の犬の墓には散歩の折には必ず立ち寄ることを欠かさない。将来はここへ来てもいいな、などと言ったりして。
 きょうは早く片付けてしまいたいという思いに負けた。それに昨日は生け垣のサワラだったが、きょうの大半は枯れた草や灌木だったから、それを言い訳にした。
 
 このなだれには春になると蕗の薹がよく生える。それを2,3株採ってきて、蕗味噌を作るのを毎年の楽しみにしている。しかし、それ以外は牧の仕事も始まるし、ニョロが出たりするから近付かない。
 蕗が伸びて食べごろになると近所の人もやって来るようだが、その中には北原のお師匠もいて、3キロ以上の道程をわざわざ自分で車を運転して来るほどだった。

 両親は満州からの引揚者だったから、戦後の食糧不足を補うため、このなだれに作物を植えたこともあったし、ぶどう棚を作った記憶もある。今は排水溝になっているが、かつてはここで魚をとったり、ホタルを追いかけたりしたものだ。
 遠いような、近いような子供のころを思い出しつつ、この時季としては思いがけない小春日和のような一日を過ごすことができた。満足。
 本日はこの辺で。
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