入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’23年「冬」(36)

2023年12月21日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 経ヶ岳が吹雪いている。冬山らしい眺めだ。ここからは中ア、われわれ地元の人間は「西山」と呼んでいるが、は見えても、段丘の向こうの南アの山々は背後の里山を超えて開田まで登っていかないと見えない。入笠は、それでも、手前の山並みが邪魔をして隠れたままで、その様子は10㌔ほど右手の鹿嶺高原を眺めながら想像するしかない。
 で、どうかというと、雪は降っていても、積雪量は車で行けないほどではないと期待を込めて判断している。まぁそれも、気象予報はすでに狼少年化しているようにも思えるし、これからの天候次第ではどうなるか分からない。

 今朝、北海道の留萌の雪の状況を中継していた。10センチの雪が降っても大騒ぎする都会の人々に、これから一冬雪に閉じ込められる現地の人々の大変さ、苦労が、果たしてどれほど伝わるのだろうか。電飾に浮かれている人々と同列に扱われているようでは、はなはだ覚束ない気がする。
 と、つい批判めいた口調で呟いてしまったが、それでいいのかも知れない。ウクライナやパレスチナや、はたまた貧困や圧政に喘ぐ国の人々と、変わらないほどの鋭い痛みを共有し、味わっていたら、きっと身が持たなくなるに違いない。
 神はお休みのようだし、風の音を聞きながらこっちは炬燵に当たり、彼らの何万分の一ほどの痛みを感じて済ませてしまうしかないだろう。「極東の一角」の島国に生まれたことを喜びつつ。

 カーテンを開けたら荒れ模様の雪雲が見え、その影響を思わせる雪混じりの風が懐かしい。青空が見えているが気温はあまり上がらず、友人が遺した袢纏(はんてん)を着て呆けている。着心地は悪くない。彼は昨夜も夢に出てきた。
 この独り言の主も、山を下りた後期高齢者の牛守である。他愛もない冬ごもりの日々の繰り言だが、昨日も「立ち枯れのような老いたる裸体を隠すな」と叫んだばかり、あまり抑えず、隠さずに続けていきたい。見苦しい点はご容赦を。
 
 本日はこの辺で。

 
コメント
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