入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’23年「冬」(41)

2023年12月27日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 今朝は早起きしたが、何もしてない。なかなか気温が上がらず、朝飯の準備もする気になれずに見る気もないテレビを点けた。
 音を消したまま、時々そっちの方へも目を向けたりしていると、NHKの朝の番組だった、山梨県の奈良田という山奥の集落へ来た若者が、焼き畑農業に挑戦する様子を報じ始めた。それで急いで音を入れた。焼き場農法に関心があったのではなく、20年以上も前に訪れたきりのあの集落が、今どうなっているのか知りたかったのだ。
 
 初めて行った時は雨の日だった。あんな山奥に人家があるのも信じられなかったが、その集落の名前が「奈良田」とあれば、さぞかし謂れのある古い土地に違いないと思って、その方面にも興味が湧いた。
 バス停の前のひと昔もふた昔も前のような万事屋が遠い記憶にあるが、生憎温泉には入らずじまいで、奈良田の歴史についても何も知らずに長い年月が過ぎてしまった。

 いつだったか、またしてもテレビで偶々見掛け、集落が存続していただけではなく、すっかり見違えたようなその変貌を見て、驚いた記憶がある。家々が建て替えられて、いつの間にかすっかり今の時代に追い付いていたのだ。
 ところが今度は、その土地へ若い人が越してきて、狭い山間の谷間の急な斜面に焼き畑農法で蕎麦を作るのだという。集落の住人かどうかは分からなかったが作業を手伝う老若男女もいて、秋には豊作ではなく、まぁあの程度だろうなというほどの蕎麦を収穫することができた。
 
 それは喜ばしいことながら、果たしてこの若者はこの土地に根付くことができるのだろうか。多くの人が生まれ故郷を捨て、去っていった土地だ。
 今のところは田舎暮らしが自己満足程度でも続けばいい方で、失意の裡に再び去っていった人の話も多く聞く。
 クマが冬眠しなくなったことは問題だが、人間も過度に進む文明に抗い、違った生き方をしようとする新たな習性が身に付き、育つといいのだが。
 
 晴れるはずなのに、曇天。本日はこの辺で。
 
 
コメント
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