入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

        「夏」 (6)

2015年06月12日 | 牧場その日その時

牛が来た


    入牧の検査


    今日は霧が深かった


    午後になって青空も顔を見せた


    得意のポーズ

 予定通り牛が上がってきた。午前中は霧も深く、雨も降ったり止んだりの天気だったが、昼を挟んで10時頃から3時ぐらいまでに入牧作業は終了した。ここに入牧頭数を記すのはあまり気が進まないが、一応それでも途中入牧も含めると30頭を超える予定で、昨年に比べれば倍近くの頭数になる。まだこの時点では管理人として、台帳と実際の入牧頭数との完全な照合を終えていないので、このような曖昧な頭数でご勘弁願いたい。
 なによりも見習いとはいえ雄牛が上がり、すでに活動を始めたから、大いに”活躍”を期待したい。この自然交配を目的とした牛たちは、ひとまず囲い罠の中で馴化も兼ねた放牧をするため、今月の末ぐらいまでなら、牧場に来れば誰でも何時でも牛の姿を見ることができる。
 これからは牛のいる風景も随時載せていくことをお約束して、とりあえず今日は簡単な入牧の報告まで。

 入笠牧場の山小屋「農協ハウス」及びキャンプ場の営業に関しましては、4月26日のブログをご覧ください(日付をクリック)。また入笠牧場からの星空に興味のある方は5月25,26,27日のブログにアクセスしてください。


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        Ume氏の入笠 「夏」 (6)

2015年06月11日 | 牧場その日その時

Photo by Ume氏

 山にいるとやはり、天候のことが気になる。梅雨入り宣言が出て、今日と明日は雨の予報だったが、どうやら今日はもつようだ。となると、明日の入牧は雨の確立が一段と高まりそうな気がする。ひとりなら雨もさして気にはならないが、たくさんの人が来て集団で仕事をするには、やはり晴れてくれた方が有難い。
 前にも書いたが、7か月の契約期間の中で約3分の1は雨か霧の日で、これに耐えれないとこの仕事はできない。牛も同じく雨が降ろうが風が吹こうが、台風に襲われようが、草原や森の中で4か月を暮らす。ここには畜舎というようなものはない。この間に梅雨の季節があり、それに秋の長雨が加わる。
 ここに登ってくる乳牛はどれも、搾乳対象外の牛でなければならず、生後1年そこらの子牛から妊娠中の牛、あるいは肥満が原因で妊娠が困難な牛などがいる。それともうひとつ、自然交配を目的とした牛のグループがやってくるが、残念ながら当牧場には2年ほど種牛(雄牛)が上がらず、牧場の主要な機能を果たすことができない期間が続いた。これが入牧頭数激減の原因のひとつと考えられている。幸い今年から、”見習い”が来ることになり、大きな課題が一歩前進した。
 その他に、それほどの数ではないが和牛も来る。この牛たちは牧場を下りてからは繁殖牛として、食肉用の和牛を”生産”する。

 急に話は飛ぶが、一般消費者に対してもう少し酪農業の実態について、関連業界はもっとPR(「宣伝」の意ではない)の必要性を考えるべきではないだろうか。どこぞかの訳知らぬ天然水などに、牛乳が価格も含め負けているようでは、酪農に関連する業界として情けないと思う。エスキモーが米の生産や、バナナの栽培について話し合っているわけではないのだから、よい知恵をもっと出さないと、ますます酪農業の先細りを加速させてしまうだけだ。それに酪農家にばかりしわ寄せしているように見えては、上手くない。以上久しぶりの毒。

 Chiyさん久しぶり。近くて遠く、遠くて近い、いつも元気でブログで対話していまする。星空がきれいな時期にToshy氏とお出掛け下され。

 入笠牧場の山小屋「農協ハウス」及びキャンプ場の営業に関しましては、4月26日のブログをご覧ください(日付をクリック)。また入笠牧場からの星空に興味のある方は5月25,26,27日のブログにアクセスしてください。また、カテゴリー別に整理しつつあります。
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        Ume氏の入笠 「夏」 (5)

2015年06月10日 | 牧場その日その時

                                               Photo by Ume氏

 今朝は早くからキジの鳴く声がして目が覚めた。午前5時半の気温は5度C、生憎の曇天だが、8時ごろには晴れてくるという予報だ。

 ようやく今、小入笠の左肩から日が昇り始めた。雲を透過して鋭く、眩い朝の日が何本もの光の帯となって森の中に射し込み、朝露に濡れた牧草が光る。小梨の花が「朝日ににおう」。今日も昨日と変わらぬありきたりだがそれでいい、山の一日が始まる。

 まだ朝の7時にもなっていなかったろう、車の音で外に出てみると、大型のワンボックスカーが停まっていた。中から出てきた人たちはみな中高年のカメラ愛好家らしく、7名の男性に混じり2名の女性もいた。そしてどこか「きれいな場所」はないかと問うてきた。奈良から来たと言い、お目当てのひとつはクリンソウだとその中の一人が言った。こういう人たちをあの群生地に連れていったら、はたしてどんな対応を見せるか興味があって、案内することにした。
 以前にやはり20人ほどの団体を案内したことがあったが、この人たちはこっちの言うことなぞ無視して、群生地に踏み込み、中にはまろび、泣き騒ぐ醜態を見せるという人もいた。しかしこの9人の写真愛好家たちはマナーもよく、この一帯の素晴らしい自然やクリンソウに大いに感動し、満足し、将来考えねばならない保護には木道がいいなどと、助言までしてくれた。山小屋「農協ハウス」で一服して、シダ類の撮影に向かったが、案内料と休憩代で1名300円なりを頂戴した。安かったのか高かったのか、あるいはそんな金まで取ることはなかったのか、しばらくスッキリとしない気分が尾を引いた。入笠牧場宿泊施設のささやかな売り上げではある。


                                               Photo by Ume氏

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        Ume氏の入笠 「夏」 (4)

2015年06月09日 | 牧場その日その時



    シジュウカラ                                Photo by Ume氏(2枚とも)

 「すでに営巣していると思われ、エサを咥えていました。この時期は『ツーピィツーピィ』と澄んだ声でさえずります」と、Ume氏の説明。

 今朝は久しぶりに雨が降って、鳥の声を聞くことはできなかった。昼頃になって雨は止んだが霧は居残り、写真のような青空を目にすることはなかった。時々今日のように、写真と実際の天候、あるいは文章とが一致しないことがあるが、梅雨入り宣言も出たようで、折角のUme氏の作品があまり時期を逸しないよう、このような齟齬をご理解願いたい。それにしてもこの写真、いい朝が溢れ出てくるようだ。

 相変わらず山の暮らしが続いている。一日を閉じる祭りを終えればもうすることもなく、少し勿体ないと思ったり、今日への未練を感じたりしながらも、酔いの混じった疲労に負けて寝てしまう。そういえば、里では毎夜のように奇妙奇天烈な夢ばかり見るが、ここでは夢らしい夢も見ない。
 毎朝5時ごろ、例の野鳥たちの声で目覚める。山の夕暮れと明け方、この時期は実に甲乙つけがたい。ただ身体を使えばつかうほど、ますます余計に一日の終わりが充実感で満たされ、結果爽やかな眠りと、目覚めが約束される。まるでそのために働いているような昨今だ。

 かんとさん、コメントしっかりUme氏に伝えました。かんとさんの実力も期待してます。名古屋からの若いご夫婦、牧場を気に入ってもらえ、案内のしがいがありました。またお出掛け下さい。

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        Ume氏の入笠 「夏」 (3)

2015年06月08日 | 牧場その日その時


 森中が鳥の声で溢れるころに日が射し始め、いつもの朝が始まった。が、今朝はまた一段とよく鳥の声がしてカッコー、ホトトギス、ウグイス・・・、これまでは野鳥たちの間に一応順番のようなものがあったが、今朝はもういろいろな鳥が鳴き放題の様相を呈している。あのよく透る声で鳴く鳥は、と気になるが、管理棟にいてはその姿を確認しようもない。キツツキのドラミングまで聞こえてくる、贅沢な山の朝だ。


    エナガ                                   Photo by Ume氏(2枚とも)

 「丸い顔のスズメより小さい鳥で、ジュリジュリと鳴きながら木々の間を群れで飛び回っています。ヒナを育てるためつがい以外のヘルパーが手伝うと言われています」と、Ume氏の説明。こんな写真を見れば野鳥のファンも増えるだろうし、探鳥会でも企画したら面白いだろう。

 いよいよ今週の金曜日(12日)には牛が上がってくる。”見習い”の雄牛にはその前に是非会っておきたかったが、予定はよくあることだが、残念なことに流れてしまった。性格の荒い雄牛は扱いに苦労するし、危険もかなりある。下からはまだ正確な入牧頭数は言ってきてないが、せいぜい3,40頭ぐらいだろう。これではとても牧場経営は成り立たないが、と言って、以前のように200頭近くが上がってきたとしても、事業規模は1千4,500万程度のもので、これだけの広大な土地を抱えてやる事業としては、大したことはない。
 バターが不足しだしたというご時勢、生乳にまで影響するようにならないと消費者というか、乳業界も、畜産振興に本気に取り組もうとはしないのだろう。それにしても乳価が10円、20円上がったといって、新聞までが大騒ぎするようなことなのだろうか。

 さっちゃんは、あのさっちゃんだったら、電話してくれればすぐに下りていったのに、接見能わず大変残念でした。そうでないさっちゃんでも、もちろん歓迎しますから、また出掛けてください。野焼きは茅(かや)で牛の大切な胸を傷付けないためです。今の季節のテイ沢、よかったでしょう!
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