市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

秘密のヴェールに包まれていた閉鎖都市ウラジオストク・・・現在の実態(その2)

2009-12-08 22:09:00 | 国内外からのトピックス
■もともとウラジオストクは、「金角湾(きんかくわん)」と呼ばれるブーメラン形に湾曲した入江を挟んで、街並みは南北に分かれています。

 金角湾という名前の湾は、トルコのイスタンブールにもあります。キリスト教時代、コンスタンティノーブルと呼ばれた東ローマ帝国の中心地でしたが、東ローマ帝国の継承を自称するロシア帝国からソ連邦を経て、今またロシア連邦となったいまでも、東のコンスタンティノーブルとして、ウラジオストックにも金角湾という名前が付いていることは、ロシア人の想いと歴史の経緯を感じさせます。


ウラジオストク市中心部と金角湾を示す地図。
 ロシア語の発音では「ヴラジヴォストーク」で、「ヴォストーク」は「東」、「ヴラジ-」は「領有・支配する」を意味しています。名前の意味の通り、ロシアの東方政策の拠点となる軍事・商業都市でした。


金角湾を囲む岸辺には、無数のクレーンが立ち並び、軍港、商業港、漁港、船の修理ドック、フェリーターミナルなどが、びっしりと並ぶ。写真左の青いコンテナクレーン2台を最近中国から輸入したが、寒冷地仕様になっていないため、使用許可が取れないという。

 日本では明治時代に浦塩(潮)斯徳、略して浦塩(潮)と呼んでいました。ナマコが沢山獲れたことから、台湾では「ナマコの入り江」を意味する中国(清帝国)領時代の名称、海參崴(ハイシェンウェイ)と呼び、一方、中国ではロシア語のとおり符拉迪沃斯托克と呼びます。

■ウラジオストクは、日本の標準時のある明石市よりもずっと西の緯度にあるのに、時差は日本より1時間早く、夏時間(3月から10月)は2時間も早くなっています。従って、冬至に近い今頃では、午前8時でもまだ真っ暗です。

 年平均気温は+4.6℃ですが、大陸から冷たく乾いた風が吹きつける冬季の1月はマイナス12.6℃、モンスーンの影響で湿った空気の流れ込む夏季の8月はプラス19.6℃になります。この中間の季節は、大陸と海の温度が同じくらいになるため、風が治まり穏やかな気候になります。

 年間降水量は823.9mm(1971-2000年平均)ですが、年によって変動があり、雨量が少ないとすぐに水不足になるそうです。降雪は、山間部では10月末から、沿岸部では11月末から始りますが、ウラジオストク市内では降雪は少ないと言われています。しかし、先週末は、日本海を低気圧が通ったためか、風が強く大雪に見舞われています。


ウラジオストク市民によると、12年ぶりの大雪とのこと。空港も閉鎖され、ウラジオストク航空の機材のやりくりの不手際さで、結局45時間も空港に留め置かれた。写真は同航空が新規導入した6機のツポレフTu204-300型機のうちの1機。

■丘陵地帯のウラジオストクには坂道が多く、平坦な場所があまりありません。雪が降ると、除雪が間に合わず、あちこちで車が立ち往生し始めます。日本からの中古車で四輪駆動車がとりわけ人気がある理由は、坂道と雪道に強いことが、こちらにきてよくわかります。


この時期、ウラジオストクでは冬晴れの日が多いが、夜は風が強く、マイナス15度Cで風速20メートルの場合、体感温度はマイナス30度Cになる。写真は雪かきに精出す市民ら。

【ひらく会海外取材班・この項つづく】


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