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【速報】大同有毒スラグを斬る!・・・渋川市議会が環境問題の特別委員会設置

2016-06-23 23:23:00 | スラグ不法投棄問題
■群馬県警の強制捜索からもうすぐ10カ月が経過しているにもかかわらず、相変わらず世間を騒がし続けている有害スラグ問題ですが、その汚染源であり原因者の大同特殊鋼渋川工場が存在する渋川市では、現在開催中の市議会においてスラグにまつわる動きがありました。報道された記事を見てみましょう。

**********2016年6月23日朝日新聞群馬県版


<ニュース短信>
渋川市議会、環境問題の特別委設置

 渋川市議会は22日、環境問題特別委員会を設置する議案を全会一致で可決した。大同特殊鋼渋川工場から排出された有害物質を含む鉄鋼スラグの使用実態や、盛り土から大きな石などが見つかった北橘運動場(仮称)の建設工事などについて集中的に審議する。

**********2016年6月23日上毛新聞 PDF ⇒ 2016n0623vxo.pdf

<市町村議会(22日)>
【渋川市】
本会議を開き、7800万円を追加して総額327億5800万円とする本年度一般会計補正予算案など8議案を可決した。大同特殊鋼渋川工場から出た鉄鋼スラグや北橘運動場工事を巡る問題について審査する環境問題特別委員会(篠田徳寿委員長、角田喜和副委員長)を設置し、閉会した。
**********

 当会では2年余前から、有害物質のフッ素や六価クロムが環境基準値を超過して含まれている有毒・産業廃棄物であるのに、天然石と混合したから毒が薄まったので安全な「混合再生砕石」だと偽装して、官業が癒着により大量に不法投棄してきた大同有害スラグ問題について、粘り強く追及してまいりました。

 この過程で、大同特殊鋼渋川工場が排出する有害スラグは、同じく渋川市のブラック佐藤建設工業とタッグを組み、道路や農道、学校や公園の駐車場、民家の敷地に、はたまたソーラー発電所など、広く群馬県中に情け容赦なくバラ蒔かれてしまったことが判明しました。

 固体同士は混ざり合うことはなく、毒が薄まることはないという常識に世間が気づき、遵法精神を失った官業に代わって、社会正義感を持つごく一部の方々の献身的なご尽力により、現在、大同・佐藤のブラック連合が前橋地検に書類送検されています。
 
■有害スラグの不法投棄が群馬県内のあちこちで疑われる中で、渋川市北橘町に建設中の(仮称)北橘運動場について新聞報道や情報提供があり、市民オンブズマン群馬としても、現場に赴き写真撮影をするなどして調査を行ったことがあります。

 現場調査の結果、有害スラグこそ確認されませんでしたが、不要となったコンクリートや大きな石が不法投棄されている様子を確認することができました。⇒詳しくは末尾資料2をご覧下さい。

 この北橘運動場における不法投棄問題では、平成28年6月22日の渋川市議会で環境問題特別委員会が設置され、有害スラグ問題と(仮称)北橘運動場問題が、同じ不法投棄問題として取り上げられることになりました。渋川市を覆う環境行政の暗部として、行政のお目付け役である議員の皆様による集中審議が、慎重に、かつ十二分に行われますことを、当会も注目してまいりたいと思います。

■これまでの渋川市における大同の有害スラグ問題を見てみますと、市議会の一般質問で渋川市の土木行政のトップの田中市郎・建設部長が「基準値を超えた場所も被覆工事をする方針」などと発言しており、住民の健康などは棚に上げられたまま、有毒スラグの撤去作業がほとんど行われないという異常事態を呈しております。⇒詳しくは末尾資料3をご覧下さい。

 また、不法投棄実行役の佐藤建設工業の指名停止などの処分が未だに見合わされたままになっています。このため、野放しにされたブラック企業のスラグ運搬車が、今も猛スピードで我が物顔に走り回り、通行中の一般ドライバーや歩行者などを恐怖のドン底に叩き込んでいます。

 一方、(仮称)北橘運動場では、大雨で崩れた擁壁の裏側で、おびただしい廃コンクリートの塊や破片、大石が露見し不法投棄問題が発覚しました。それにも関わらず、渋川市は廃棄物の疑いを否定するなど、スラグ問題と同じく、渋川市の対応に不明な点が多く、同市による対応が問題視されています。⇒詳しくは末尾資料4をご覧ください。

■さて、大同有害スラグ問題ですが、国・群馬県・渋川市は、住民の健康などそっちのけで無視しており、撤去などの抜本的な対策が遅々として進んでいない中、初めて議会の場で特別委員会が設置されるという今回の記事は、スラグ問題のお膝元から発信されたことで、先行きに仄かな明るさを灯すニュースとして受け止める向きも多いかもしれません。

 しかしその“明るい”ニュースにも、実は“暗い”影が潜んでいることを、読者の皆様にご報告しなければなりません。

 上記の上毛新聞記事によると、次のとおり報じられています。

「環境問題特別委員会(篠田徳寿委員長、角田喜和副委員長)を設置」

■この篠田徳寿委員長のプロフィールを検証してみましょう。篠田市議はその「職歴」として、大同特殊鋼渋川工場労働組合副委員長、と誇らしげに明示する、いわゆる「大同族」の議員として知られています。つまり、環境問題特別委員会の委員長に「大同様」の“手先”である人物が就任したことになるのです。


渋川市議会の議長・副議長選出に関する記事。

 特別委員会には、渋川市議会副議長が委員長に就任する慣例があるのかもしれません。しかし、その渋川市議会において、篠田議員自ら副議長として立候補したことが、当会にも情報として伝わっています。この背景に、大同様の御意向=御威光をバックに、なんとしてでも影響力行使を確保したいとする大同様の並々ならぬ執念の存在を感じてしまうのは、果たして当会だけなのでしょうか?

■長年、企業城下町の状態が続くと、当該企業が行政さえ左右する影響力を蓄積するという事例は。かつての安中市に対する東邦亜鉛による公害問題のもみ消しや矮小化工作などに見られ(ちなみに、現在の安中市は信越化学が最大の影響力を保持)、この傾向は渋川市に限ったことではありません。

 ところが、これほどあからさまに有害スラグ問題が世間を騒がし、大同特殊鋼が佐藤建設工業と共に前橋地検に書類送検されている状況である最中に、よくもまあ臆面もなくスラグ問題が審議される環境特別委員会委員長に、「ミスター大同様」が就任できたものです。ブラック大同の“面目躍如”といったところなのかも知れません。

 当会では、二重の意味でこの環境問題特別委員会に注目して参ります。

■そこで篠田委員長の就任に当たり、“はなむけの言葉”を送りたいと存じます。

 まずは前段として、現在渋川市が直面している有害スラグ問題の背景について正しい認識をしていただかなくてはなりません。

 大同特殊鋼由来のスラグは、監督官庁の群馬県・環境部局により廃棄物に認定されました。

 廃棄物処理法第3条には「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」と定められています。適正に処理するとは、正しく中間処理をするか最終処分場に処分することを指しています。道路や学校、公園、農道等に投棄することは、適正に処理されているとは到底言えません。

 そして、篠田徳寿・環境問題特別委員長様に、謹んで次の言葉を送ります。

廃棄物処理法第3条に従い
適正に処理されていない大同スラグは、毒があろうとなかろうと、廃棄物として大同特殊鋼が自ら適正に処理しなければならない。


 廃棄物を撤去・処分した上で、直下の土壌が汚染されているか調査し、土壌が汚染されている場合には、当該土壌も撤去し、または地下水脈との遮断の措置を取り、地下水を常時監視しなければなりません。

 以上、篠田徳寿・環境問題特別委員長様のご検討を心よりお祈り申し上げます。

※当会注):大同特殊鋼由来のスラグには第二種特定有害物質であるフッ素が含まれている疑いが強く中間処理をすることはできません、また最終処分の際には遮断型最終処分場に埋設処分しなければなりません。

【市民オンブズマン群馬・大同有毒スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

参考資料1 大同・佐藤ブラック連合の書類送検についてはこちら。↓↓
【速報】大同有毒スラグを斬る!・・・「大同・佐藤 書類送検へ」各報道機関の報道ぶり
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1975.html#readmore
【速報】大同有毒スラグを斬る!・・・「大同・佐藤 書類送検へ」各報道機関の報道ぶり(続き)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1976.html#readmore

参考資料2 (仮称)北橘運動場についてはこちら。↓↓
大同スラグ問題を斬る!・・・渋川市の対応「ここが変だよ」番外編その1
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1755.html

参考資料3 渋川市のスラグ対策についてはこちら。↓↓
大同有害スラグ問題を斬る!・・・連日のように続く危険スラグ報道!「小学校からフッ素」の巻
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1925.html#readmore
大同有毒スラグを斬る!・・・「大同特殊鋼スラグ使用 新たに148カ所判明」報道後の渋川市の対応
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2008.html#readmore

参考資料4 渋川市がコンクリート片の廃棄物の疑いを否定 についてはこちら。↓↓
大同スラグ問題を斬る!・・・渋川市の対応「ここが変だよ」番外編その3
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1779.html

参考資料5 篠田議員のプロフィールについてはこちら。↓↓
大同有害スラグ問題を斬る!・・・渋川市の対応「ここが変だよ、その26」市議会「大同様が副議長?」の巻
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1918.html#readmore

参考資料6 我が物顔で走り回るスラグ運搬車についてはこちら。↓↓
【速報】大同有毒スラグを斬る!・・・「大同特殊鋼スラグ使用 新たに148カ所判明」
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1997.html#readmore

参考資料7 廃棄物処理法第3条についてはこちら。↓↓
大同有害スラグ問題を斬る!・・・これでいいのか渋川市「大同様ご機嫌お伺い主義ここに極まれり」その2
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1890.html#readmore

参考資料8 大同特殊鋼由来のスラグは廃棄物に認定されました。↓↓
【9月11日】大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について(廃棄物・リサイクル課)
http://www.pref.gunma.jp/houdou/e1700084.html

参考資料9 廃棄物の適正な処理についてはこちらをご覧ください。↓↓
大同有毒スラグを斬る!・・・国土交通省は“きれいな群馬ちゃん”の仇だ!
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/2019.html



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