市政をひらく安中市民の会・市民オンブズマン群馬

1995年に群馬県安中市で起きた51億円詐欺横領事件に敢然と取組む市民団体と保守王国群馬県のオンブズマン組織の活動記録

大同有害スラグ問題を斬る!・・・当会会員が県に対し住民監査を提出!②「毒(フッ素)は薄まったのか?」

2016-06-27 23:45:00 | スラグ不法投棄問題
■当会会員による、平成28年6月22日付の住民監査請求書の提出を契機に、大同有害スラグ問題について、有毒含有物質に焦点を当ててもう一度おさらいをして見ましょう。

 大同・佐藤ブラック連合は、大同特殊鋼が鉄を精製する過程で発生する有害スラグと天然石を混合して建設資材として販売することを思いつきました。その販売手法は、乱暴そのものとしか言いようがありません。なにしろ、コンクリート等をリサイクルした「再生砕石」と偽装したり、天然石であるべき上層路盤材や盛り土材にまで混合して販売していたのです。

 ところでブラック連衡は、なぜ有害スラグと天然石を混合することを思いついたのでしょうか?

 毎日新聞杉本修作著「循環型社会の裏側」によると、大同特殊鋼渋川工場・環境室長は次のように述べています。

『「スラグにフッ素含有は避けられない。うちは特殊鋼メーカーだから、どうしても含まれる」。2013年11月、大同渋川工場の環境室長は取材に応じ、有害物質の含有をあっさり認めた。渋川工場では金属精製の過程で不純物を取り除く目的で蛍石(フッ化物)を添加するため、フッ素が発生する。環境室長は「天然砕石と混ぜてフッ素を低減化している」と胸を張った。』⇒詳しくは末尾資料1をご覧ください。

■金属の製錬過程で使うフッ素や六価クロムが不純物と混ざってスラグに含まれ、特にフッ素は基準値を上回ってスラグ中に含まれてしまうことが避けられないから、「低減化」、すなわち、「毒を薄める」と大同の環境室長は話しています。

 「天然石と混合したから毒が薄まった」ので“安全”な「混合再生砕石」だとして、ブラック連合は、カタログまで作成し、PRに勤しみました。さらに、群馬県中に広くばら撒けるように、大同特殊鋼がブラック佐藤に対して運賃を補助するなどの多額の補助を与えたので、格安でブラック佐藤建設工業が販売できたのでした。

■ところで毒は本当に薄まっているのでしょうか?


大同・佐藤ブラック連合のスラグ混合再生路盤材(RC40)の品質規格証明書。フッ素の溶出量値(mg/L)が0.43と環境基準値上限の0.8を下回っているものの、ほぼ半分以上の値を示している。群馬県では河川水の通常のフッ素含有量は0.1以下であるので明らかに怪しい。

 この点、大同佐藤ブラック連合の有害スラグ問題が発覚直後に開かれた国会の場で、太田国土交通大臣が「施工業者から提出されました品質規格証明書によって、六価クロムや弗素について環境基準に適合していることが確認できています。基準内ということです」と述べています。⇒詳しくは末尾資料2をご覧ください。

 また、平成27年12月28日に群馬県内で関東地方整備局が発注した官庁施設にスラグが使われていることが発覚したことを受けて、関東地方整備局は「品質規格証明書により環境基準に適合していることが確認できました」として、またしても環境基準に適合している旨の発表をしています。⇒詳しくは末尾資料3をご覧ください。

 群馬県においても、「施工にあたって品質規格証明書により安全性を確認していた」と公表しています。「安全性の再確認のため、6工事を抽出して、環境安全品質基準(8項目)の分析試験を行った。」ともご丁寧に安全宣言をしています。⇒詳しくは末尾資料4をご覧ください。

■国土交通省も群馬県・県土整備局もスラグ混合砕石が環境への適合性がある、と言っています。つまり有害スラグの毒が天然石と混合することにより、

“フッ素の毒が消えている

と表明しているのです。

 「安全だ!」というからには、「毒が消えてなくなっている」という状態だと住民は思ってしまうことでしょう。

 正確に言えば、「毒は薄まって基準値以内になっている」という事なのでしょうが、スラグの一粒にいたるまで、有毒物質がきれいに薄まって環境基準を満足していると国土交通省や群馬県県土整備が太鼓判を押しているのです。

 本当に毒は消えているという状況が保障されていないと、住民は安心して暮らせません。

■では実際にスラグの粒を拾って口に入れても安全なのでしょうか?

 実際に調査した結果をみると、安全かどうか分りますよね。


上武道路・小神明信号付近に見られるスラグ。国土交通省の皆さん、きれいに洗えば、口に入れられますか?

 「第3回 鉄鋼スラグに関する連絡会議」の資料を見ると次のようになっています。
http://www.pref.gunma.jp/06/h8000259.html

●この中で、国土交通省は、
**********
27工事の施工箇所においては、材料の分析試験の結果、基準値を超えていた。
このうち5工事の施工箇所においては、材料直下の土壌の分析試験の結果、基準値を超えていた。

**********
としています。

●群馬県・県土整備部は、
**********
品質規格証明書がない6工事については、1工事において、材料から環境基準値を超えるフッ素が検出されたため、その直下の土壌調査を実施し、土壌は環境基準値以下であることを確認した。
**********
としています。

●毎日新聞でも独自に分析調査を行っています。2014年08月06日付の毎日新聞記事は、
**********
毎日新聞は建設中の国道2カ所からスラグとみられる砕石を採取し、環境省指定の第三者機関に鑑定を依頼。主成分などがスラグの特徴と一致し、環境基準を超える有害物質「フッ素」が検出された。
**********
と報じていいます。

●渋川市の市会議員も独自に調査を行っています。2016年3月17日付の毎日新聞群馬版は、次のとおり報じています。
**********
鉄鋼スラグ 小学校からフッ素
渋川 環境基準10倍超

 大同特殊鋼渋川工場からでた鉄鋼スラグを巡り、渋川市立古巻小学校の駐車場から環境基準の10倍超のフッ素が検出されたことが16日、市議会で明らかになった。環境省の指定調査機関に委託して独自調査した結果を角田喜和(共産)が公表した。【尾崎修二】

**********

なんだ!毒は薄まっていないじゃないか!

 常識的に考えても、スラグ不法投棄現場でスラグを一粒ずつ採取し分析調査すれば必ず土壌汚染環境基準値を超えるフッ素が検出されるはずです。「環境基準値を満足する」という場合は、スラグでない砕石を採取しているとしか考えられません。

■この点、監督官庁である群馬県の環境部局はとのように考えているのでしょうか?

 【9月11日】大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグに関する廃棄物処理法に基づく調査結果について(廃棄物・リサイクル課)を見てみましょう。詳しくはこちら。↓↓
http://www.pref.gunma.jp/houdou/e1700084.html

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「(7)ふっ素の土壌環境基準等が設定されて以降、大同特殊鋼(株)渋川工場から製鋼過程の副産物として排出された鉄鋼スラグは、土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性があり、また、平成14年4月から平成26年1月までの間、関係者の間で逆有償取引等が行われていたことなどから、当該スラグは、その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び占有者の意思等を総合的に勘案し、廃棄物と認定される。」 
**********

 一体どうしてしまったのでしょうか?国や群馬県県土整備部が“品質規格証明書で安全を確認した”としているのと比べると、様子が変っています。

 大同特殊鋼(株)渋川工場から排出された鉄鋼スラグは、「土壌と接する方法で使用した場合、ふっ素による土壌汚染の可能性」があると発表しているのです。“国土交通省や県土整備部が品質規格証明書により環境基準に適合している”として、スラグは一粒一粒に至るまで毒が薄まっていると、国や群馬県が太鼓判を押しているのに、なぜフッ素による土壌汚染の可能性があるのでしょうか?

■前記の通り、国土交通省や群馬県県土整備部が自ら行った分析調査においても、実際に、大同特殊鋼由来のスラグからフッ素や六価クロムなどの有害物質が環境基準を超えて検出されています。

 このことは大同・佐藤ブラック連合が提出した品質規格証明書によって環境基準の適合性を判断することが間違っていることを意味しています。つまり有害スラグと天然石を混合しても毒は薄まらないのです。なぜ薄まっていないのに安全なのでしょうか?

 国土交通省や群馬県県土整備部は、大同・佐藤ブラック連合が提出した品質規格証明書によって環境基準の適合性を判断していると明言しています。これは明らかに間違いです。群馬県環境部局が指摘しているように、「ふっ素による土壌汚染の可能性」を放置していると言えます。

 土壌汚染の恐れが明白であるのに放置されることは、群馬県民が被害者になることを意味するので、その加害責任は重大であり、今回住民監査請求に及んだ当会会員は、仮にもしも県監査委員により却下や棄却された場合(有識者や選良である監査委員はよもやそのような非常識な監査結果は通知してこないでしょうが・・・)、裁判に及んでも責任を追及する構えを見せています。

■土壌の上に有害スラグがあれば雨水により、スラグから有害物質が染み出し直下の土壌が汚染されてしまう恐れを群馬県環境部局が指摘しています。

 国土交通省や群馬県県土整備部はこれを完全に無視しています。

 例えば国土交通省は、上武道路に不法投棄された有害スラグを今でも放置しているのです。

 そればかりではありません。前橋渋川バイパスにおいては、大量に不法投棄されている有害スラグを確認しながら、あろうことか新たな盛り土を不法投棄実行犯であるブラック佐藤建設工業に持ち込ませてその上に被せさせて、蓋をさせてしまいました。


前橋渋川バイパスの起点、田口町の有害スラグを撤去せず、新たな盛り土で蓋をする様子。

■幸い日本国には廃棄物処理法というものが制定されております。

 その第3条で「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならない。」と定められています。

 適正に処理されていない大同スラグは、毒があろうとなかろうと、廃棄物として大同特殊鋼が自ら適正に処理しなければなりません。

 大同特殊鋼由来のスラグを廃棄物に認定し刑事告発した群馬県環境部局は、告発に踏み切ったからには、速やかにスラグを大同特殊鋼に撤去させ、土壌汚染を食い止めねばなりません。

 さもないと結果的に、行政の二重基準を自ら認める形になり、法律が骨抜きにされかねません。

■これまでにも群馬県の廃棄物行政はいろいろと悪行を重ねてきました。

 例えば筆者の知る限りでは、安中市のサイボウ環境(現在は実質的に長野県佐久市のイーステージが管理)による廃棄物最終処分場の設置許可を巡り、虚偽の境界立会確認文書などを提出した不誠実な業者に平然と許可を出し、その時の許可を出した責任者がその後、サイボウ環境の許認可手続きを画策した人物とタッグを組んで別の産廃処分場の計画を推進しているという事実もあります。東邦亜鉛安中製錬所に設置されたサンパイ処分場を巡る住民からの意見書の改竄疑惑もしかりです。

 今回の大同スラグを巡る一連の行政側の妙な対応により、スラグ問題の解決がズルズルと遅れている現状ですが、群馬県の環境部局が毅然とした対応をすれば容易に打破できるのです。これまでの汚名を晴らす最後の機会ということもできます。

 その及び腰の環境部局の背中を押す意味でも、今回の当会会員による住民監査請求が注目されるのです。

【市民オンブズマン群馬・大同有害スラグ不法投棄特別調査チーム・この項続く】

※参考資料1
===有害スラグの闇 大同特殊鋼「再生資材」強制捜査 (下)===
2015年9月13日毎日新聞
詳しくはこちら。⇒ http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1721.html#readmore
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企業と行政の「共依存」関係
◇住民の安全を軽視
 有害スラグを無許可で建設資材に再処理したとして県警の強制捜査を受けた「大同特殊鋼」は問題発覚前、毎日新聞の取材に対し、安全管理に自信を見せていた。有害スラグが拡散した背景には、法令や環境への影響を軽視して利潤追求に走る企業と、原状回復に向けた取り組みに消極的な行政との「共依存」関係が見え隠れする。
 「スラグにフッ素含有は避けられない。うちは特殊鋼メーカーだから、どうしても含まれる」。2013年11月、大同渋川工場の環境室長は取材に応じ、有害物質の含有をあっさり認めた。渋川工場では金属精製の過程で不純物を取り除く目的で蛍石(フッ化物)を添加するため、フッ素が発生する。環境室長は「天然砕石と混ぜてフッ素を低減化している」と胸を張った。
 環境省は「有害物質を希釈するための混合は認められない」との立場で一貫している。県も11日の会見で「01〜03年にフッ素に関する土壌環境基準の設定や土壌汚染対策法の施行があり、鉄鋼業界は対策を取ってきた。しかし大同渋川工場はフッ化添加を止めず、スラグの大半が基準を超えるフッ素を含むと知りながら出荷を続けた」と指摘した。
 県のまとめでは、225カ所の公共工事で大同のスラグが使用され、渋川市52▽前橋市29▽長野原町8▽吉岡町2▽榛東村1▽みなかみ町1の計93カ所から環境基準を超える有害なフッ素や六価クロムが検出された。
 大同からスラグの再処理や販売を委託された「佐藤建設工業」の元社員は毎日新聞の取材に「スラグはどんどん発生し、どんどん使った。認められた工事だけじゃ使い切れなかった」と明かした。大同との契約が「逆有償取引」だったことから、スラグを買えば買うほどもうかる仕組みだったのだ。社長は取材に対し「スラグにリスクがある以上、お金はいただかないと面白くない」と述べていた。
 一方、遊園地「渋川スカイランドパーク」の駐車場から撤去したスラグの処理費用約2400万円は13年に市が負担した。阿久津貞司市長が「大同に費用負担を求めない」との方針を打ち出したからだ。ところが、市民から処理費を大同に請求するよう求める訴訟を起こされると、判決を待たずに大同が任意で支払った。
 環境汚染を防ぐ費用は、原因を作った者が負担する「汚染者負担原則」が国際的に確立されたルールだ。渋川市の50代男性は「有力な税収源が少ない渋川で大同が大事な納税者であることは分かるが、市は住民の安全を第一に考え、速やかにスラグ全量を大同に撤去させてほしい」と話す。【尾崎修二】
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※参考資料2
第186回国会 予算委員会 第11号(平成26年2月19日(水曜日))
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/001818620140219011.htm
**********
○石関委員 
 今度は国交大臣にお尋ねをします。

 この報道の中でも、渋川市内、この工場があるところの十一カ所の施設で、基準値を超える六価クロムや弗素が検出をされた、これもこの中で報道されています。

 これは、先ほど経産大臣は把握をされておられましたが、県を通じてこの十一施設からこういった有害物質が検出をされたということの報告がなされているのかどうか、当然されていると思いますが、されているのであれば、この汚染の浄化のために既にどのような対策をとられているのか、教えてください。

○太田国務大臣 今回の報道を受けまして、群馬県内の国土交通省所管工事について、大同特殊鋼の鉄鋼スラグの使用状況について調査を行わせていただきました。

 具体的には、工事に使用する材料につきまして、工事を行う施工業者から提出されます品質規格証明書というのがありますが、これの書類を確認しました。その結果、書類が残っているのは平成二十年度以降でありまして、この平成二十年度以降の工事で、道路の路盤など四十五件の工事におきまして、大同特殊鋼の鉄鋼スラグを含む砕石を利用した記録が残っていることを確認しました。したがって、これらの工事においては、御質問の鉄鋼スラグを含む砕石が使用されているというふうに考えます。

 そこで、この二十年度以降の今申し上げました二十四工事で、大同特殊鋼の鉄鋼スラグを含む砕石を下層路盤材等に使用していることを確認したところです。なお、現地では、砕石はアスファルト舗装で覆われているという状況にございます。

 このうち二十の工事につきましては、施工業者から提出されました品質規格証明書によって、六価クロムや弗素について環境基準に適合していることが確認できています。基準内ということです。

 また、品質規格証明書による確認ができていない残る四工事につきましては、土壌汚染の専門家の指導のもとに、現地から試料を採取し、有害物質の含有や溶出の実態について、現在分析を行っているところです。分析調査結果を踏まえて、環境への影響の有無や必要な対策について検討してまいりたいと考えています。

○石関委員 この品質証明書というのは、メーカーが証明しているものですね。品質証明書、これはどういうふうに証明されているものですか。

○太田国務大臣 これは、大同特殊鋼から建設業者に行きまして、それが、工事を行う施工業者から国土交通省の工事を行った工事事務所に、建設業者から、ここにこういうものを使いましたということを提出しているということでございます。

○石関委員 有害物質についての品質というか、これが基準値以内だということは誰が証明しているんですか。

○森政府参考人 お答えいたします。

 ただいま委員から御指摘ございました品質証明書でございますが、私どもの方、さまざまな材料を使っていく上での……(石関委員「手短にやってください、時間ないから」と呼ぶ)はい。試験成績書というのをいただいているところでございます。これに関しましては、大同特殊鋼株式会社の方から、一般的なJISによる試験方法によりまして、その結果が出されているというところでございます。

 以上でございます。

○石関委員 では、それは役所は調べていないんじゃないですか。

 だって、こういう逆有償取引みたいなことをしている会社が出してきた紙を品質証明ですと、そんなものをそのまま受け入れていいんですか。怪しげだから報道されているんでしょう。県も立ち入っているんじゃないですか。そんなものが出してきたものを、はい、そうですかと、こういうことですか。こんなの、県民も住民も心配でしようがないですよ。

○太田国務大臣 まず、現実に残っている書類というものがございますから、それを調べて、そして、先ほど申し上げましたが、調査するということについて今専門家と協議してやっているということでございますから、声を荒げることはないと思います。
**********

※参考資料3
記者発表資料 平成27年 12月28日 関東地方整備局
鉄鋼スラグを含む砕石を使用した工事が新たに確認されたことについて
http://www.ktr.mlit.go.jp/kisha/kyoku_00000761.html
**********
国土交通省関東地方整備局では、大同特殊鋼(株)渋川工場が鉄鋼スラグを出荷した記録があることが判明した工事の施工箇所等において、有害物質の含有量等について分析試験を実施し、その調査結果をお知らせしてきたところです。
 このたび、群馬県環境森林部からの情報提供により、新たに群馬県内で関東地方整備局が発注した官庁施設の営繕工事の1工事において、大同特殊鋼(株)渋川工場の鉄鋼スラグを含む砕石の使用の疑いが判明しました。
 当整備局で工事書類を確認したところ、大同特殊鋼(株)渋川工場の鉄鋼スラグを含む砕石が建物の基礎下に使用されているものの、都道府県知事の登録を受けた試験機関の品質規格証明書により環境基準に適合していることが確認できました
 また、過去5年間に遡り、群馬県内で当整備局が発注した官庁施設の営繕工事について工事書類を確認した結果、当該工事以外で大同特殊鋼(株)渋川工場の鉄鋼スラグを含む砕石の使用は工事書類からは確認されませんでした。
 今後、官庁施設の営繕工事についてもこれまでの土木関係の工事の場合と同様に、大同特殊鋼(株)渋川工場が鉄鋼スラグの出荷を開始した平成3年度以降に施工された群馬県内で当整備局が発注した工事現場については、工事完成図書等および現場の確認を通じて、大同特殊鋼(株)渋川工場の鉄鋼スラグの使用の有無を確認していきます。
 新たに大同特殊鋼(株)渋川工場の鉄鋼スラグの使用が確認された場合、群馬県環境森林部に報告し、助言を得ながら、適切に対応していきます。
**********

※参考資料4-1
第1回 鉄鋼スラグに関する連絡会議 群馬県県土整備部の取り組み状況
http://www.pref.gunma.jp/06/h8000225.html#gidai4
**********
大同特殊鋼の鉄鋼スラグの使用状況及び分析試験結果について
•平成26年1月28日の毎日新聞の記事を受けて、鉄鋼スラグを原材料とした路盤材等の使用実績の調査を行った。
•県工事における大同特殊鋼(株)の鉄鋼スラグの使用状況については、27工事での使用を確認した。いづれも砕石に鉄鋼スラグを15%程度混合した砕石を使用したものであった。
•27工事については、施工にあたって品質規格証明書により安全性を確認していたが、安全性の再確認のため、6工事を抽出して、環境安全品質基準(8項目)の分析試験を行った。
•(平成26年5月)分析試験の結果、6工事すべての箇所において基準に適合していることが確認されたことにより、県工事における鉄鋼スラグを含む砕石は環境上安全であると公表した。(調査結果一覧参照)
**********

※参考資料4-2
第3回 鉄鋼スラグに関する連絡会議 群馬県県土整備部の取り組み状況
http://www.pref.gunma.jp/06/h8000260.html#gidai2gunmaken
**********
出荷記録のある工事については、これまでの公表結果を合わせて、県施工58工事で鉄鋼スラグを含む材料の使用が確認されている。
•52工事においては、品質規格証明書が提出されており、品質規格証明書がない6工事については、鉄鋼スラグを含む材料の分析試験を実施した。
•その結果、6工事の内1工事において、材料から環境基準値を超えるフッ素が検出されたため、その直下の土壌調査を実施し、土壌は環境基準値以下であることを確認した。
•出荷記録のある県工事の調査は終了し、出荷記録のない工事で新たに使用が確認されれば逐次調査を行っていく。
**********

※参考資料5
有害スラグ混合砕石の品質規格証明書はこちら。↓↓
大同有毒スラグ問題を斬る!…佐藤建設工業の“偽装”試験成績報告書がまかり通った群馬県の特異体質(1/2)
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1444.html#readmore

※参考資料6
2014年08月の毎日新聞全国版記事。スラグ分析結果についてはこちらを参照ください。↓↓
留まることを知らない大同有毒スラグの県土汚染の実態・・・急がれる不法投棄の場所と量の把握 
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1359.html

※参考資料7
2016年3月17日毎日新聞群馬版記事。小学校の構内にも産廃のスラグを不法投棄したままの異常な実態はこちら。↓↓
大同有害スラグ問題を斬る!・・・連日のように続く危険スラグ報道!「小学校からフッ素」の巻
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1925.html#readmore

※参考資料8
前橋渋川バイパス起点方の有害スラグに蓋をする様子はこちら。↓↓
大同有害スラグ問題を斬る!・・・危険スラグの不法投棄盛り土に蓋をし続ける国土交通省「隠ぺい体質」の巻 
http://pink.ap.teacup.com/ogawaken/1889.html#readmore


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東電の毒牙から赤城と県土を守れ!…前橋バイオマス計画に関し関電工から3週間遅れで届いた公開質問回答書

2016-06-27 01:11:00 | 前橋Biomass発電問題・東電福一事故・東日本大震災
■電中研からバイオマス発電と称して、実際には放射能汚染間伐材等の焼却処分施設の建設を目指す東電グループの関電工は、当会の公開質問状に対して、指定期限から約3週間遅れで先日、回答書を送ってきました。電中研からの回答書も4週間遅れでしかも当会からの質問内容に対してあまりにも簡単な回答内容でしたが、関電工からの回答書はさらにひどいものです。さっそく回答内容をご覧ください。

**********
                        平成28年6月7日
市民オンブズマン群馬
代表 小川 賢 様
                     株式会社関電工 戦略事業本部
                     木質バイオマス・プロジェクト

             回 答 書

冠省
 平成28年5月17日付文書「公開質問状(2)」(以下「貴簡」と申します)を拝受いたしました。

 当社は、循環型経済社会の構成員として、豊かな人間環境づくりに取り組み、絶えざる自己革新によって、地球環境の保全活動に貢献することを基本理念とした「関電工環境基本方針」(当社ホームページに記載しております)を制定し、環境保全を経営上の重要課題の一つと位置づけ、地域社会との協調連帯を図りながら、社会との調和に努めることを行動方針として、事業活動に取り組んでおります。
 この基本方針に基づき、当社は、本事業を計画するに際しても、群馬県環境影響評価条例等についての十分な調査・検討を行い、その結果、同条例が義務付ける環境影響評価を実施する必要はないものと判断いたしました。

 当社といたしましては、各種法令等を遵守することはもとより、地域のみなさまや行政機関とともに歩むバイオマス発電所を目指し、全社一丸となってまい進してまいる所存です。
 今後ともご支援ご理解のほど衷心よりお願い申し上げます。
                               草 々
**********

■この内容を当会の公開質問状と照らし合わせてみましょう。当会からの公開質問状は次のとおりの内容でした。

**********PDF ⇒ 20160517r1dhjiqjiazxj.pdf
                          平成28年5月17日
〒108-8533 東京都港区芝浦四丁目8番33号
株式会社関電工
取締役社長 水江 博 様
TEL(03)5476-2111  FAX(03)5476-3946
                       市民オンブズマン群馬
                       代表 小川  賢
           公 開 質 問 状 (2)
件名:前橋バイオマス発電事業に係る手続、計画内容、工事及び維持管理計画等について

拝啓 貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
 当会は税金の非効率的な使い方や行政の不当な処分で不利益を被った事例を正してゆくことを目的としている群馬県を拠点とする市民団体です。
 さて、平成28年4月7日付公開質問状(1)に引き続いて、今回、公開質問状(2)を提出しますので、よろしくご対応くださるようお願い申し上げます。
 貴社が「事業の経過」として行政に提出した資料を参照ください(別紙2)。
 このなかで貴社は「平成27年3月 本計画については群馬県の環境アセスメントの適用対象とならないことを群馬県環境政策課に確認」というふうに明記されています。
 このため、当会では、平成28年4月22日付で、事業の環境アセスメントの要否の目安となる排ガス量の観点から、群馬県環境政策課に、「本件事業が環境アセスメントの対象除外と判断した根拠と経緯に関する一切の情報」について開示請求を行いました。
 その結果、平成28年5月6日付で情報不存在通知が出されました。(別紙1)
 この理由について、直接環境政策課に確認したところ、「群馬県の環境アセスメントの対象にならないことを事業者(=関電工)に確認した経緯はない」という趣旨の説明を同課職員である次長からいただきました。
 つきましては、このことに関して、次の質問があります。

質問1「貴社が平成27年1月に群馬県関係各課に本計画の概要を説明。環境アセスメントの適用有無について協議を開始したことについて」

1-1 貴社が環境アセスメントの適用有無について、群馬県関係各課に本計画の概要を説明した際に、県側に提出した資料があれば、写しを提供してください。
1-2 その説明は、平成27年1月の何日でしたか。
1-3 その説明は、群馬県関係各課のうち、どの部署でしたか。また、貴社が説明した相手の県職員の氏名、職位も教えてください。
1-4 貴社の説明先として、環境政策課は含まれていましたか。また、そのときに面談した同課の県職員の氏名、職位も教えてください。
1-5 環境アセスメントの適用有無について、貴社として、もっとも重点を置いて説明した要件は、どのような項目でしたか。排ガス量の他にも、なにか要件として説明した項目はありますか。あれば、どのような項目でしたか。

質問2「貴社が平成27年3月に本計画については群馬県の環境アセスメントの適用対象とならないことを群馬県環境政策課に確認したことについて」

2-1 貴社が、本計画については群馬県の環境アセスメントの適用対象とならないことを群馬県環境政策課に確認したのは、平成27年3月の何日でしたか。
2-2 その際、誰に確認しましたか。同課の県職員の氏名と職位を教えてください。
2-3 その際、どのような形で確認しましたか。口頭でしたか。それとも書面でしたか、書面の場合、その写しをご提供ください。
2-4 その際、環境アセスメントの適用対象とならない理由として、環境政策課から為された説明はどのような内容でしたか。詳しく教えてください。
2-5 環境アセスメントの適用対象とならない理由について、環境政策課から説明があったときに、貴社はどのような理由で、その説明に納得し、環境政策課に対して、環境アセスメントをすることは不要であることを確認したのですか。条件付きの確認でしたか、それとも、無条件で環境アセスメント不要ということで確認したのでしたか。
2-6 環境アセスメントの適用対象外だと、環境政策課のお墨付きを得た際に、貴社はどのように、考えましたか。例えば、「ああ、これで面倒な環境アセスをしなくても済むのでよかった」とか、「企業のCSRの観点から、本当は環境アセスを行うべきだと思ったが、群馬県が水蒸気分は差し引いてもいいよ、と言ってくれたので、環境アセスをしなくても、とくに近隣住民らに対する配慮には、影響がない」とか、「東電の主要グループ企業として、環境アセスをどうしてもしなければいけないと思っていたところ、思いもかけずに環境政策課から、アセス適用対象外と言われたので、不本意ながら県の指示に従った』とか、「政治家などに予めロビー活動をするなど努力が奏功したので、アセス適用対象外と言われた時は、やったーと思った」など、貴社の感想をありのままに教えてください。

当会は、本質問状について貴社に提出する際に記者会見で明らかにし、また貴社のご回答を得た上で、あるいは得られなかったときに、再度記者会見で回答の有無及び内容を明らかにしてまいりたいと考えます。同時にその経過を含めて当市民オンブズマン群馬のホームページ上でも明らかにし広く群馬県民に広報してまいる所存です。

つきましては、現在、当会が群馬県監査委員に対して提起している本件事業にかかる補助金を巡る住民監査請求における陳述や証拠提出の時期が5月19日(木)午前10時30分の予定ですので、誠に勝手ながら平成28年5月18日(水)限り、下記にFAXにてご回答いただきますよう、お願い申し上げます。

                   記

         市民オンブズマン群馬  事務局長 鈴木 庸
         〒371-0801 群馬県前橋市文京町1-15-10
         電話 027-224-8567 FAX 027-224-6624

                                以上

別紙:
1 公文書不存在決定通知書(平成28年5月6日付、環政第30066-1号)
2 本事業の経緯
**********

■このように、環境アセスメントに関する当会の疑問に対して、関電工は「(当社の)この基本方針に基づき、当社は、本事業を計画するに際しても、群馬県環境影響評価条例等についての十分な調査・検討を行い、その結果、同条例が義務付ける環境影響評価を実施する必要はないものと判断いたしました」とだけ、回答してきたのです。

 しかも、「当社といたしましては、各種法令等を遵守することはもとより、地域のみなさまや行政機関とともに歩むバイオマス発電所を目指し、全社一丸となってまい進してまいる所存です」として、説明責任を全く果たさないまま、放射能汚染を群馬県土に広く拡散させかねない事業を平然と推し進めようという不遜な態度を示しています。

 この背景には、環境アセスメントを不要とした群馬県環境森林部環境政策課の後押しがあり、さらにその裏には、群馬県議会で補助金の支出を既に認めさせた政治力があり、この結果、住民へのこのような上から目線の関電工の体質による回答姿勢となったと考えられます。

■なお、群馬県に対しては、赤城山の自然と環境を守る会から「なぜ環境アセスメントを不要としたのか」について詳しい理由説明を求めていますが、これまでのところ、極めてあいまいな回答内容にとどまっています。このままウヤムヤの状況で、環境アセスメントが実施されずに着工となれば、官業癒着によるルールの二重基準の適用により、大同スラグと同じように、県土の環境保全に対して重大な脅威となることは必至です。

 では、群馬県がいかにのらりくらりの対応をしているか検証してみましょう。

*****2016年6月23日11:38 住民団体⇒環境保全課*****
件名: 【質問】大気汚染防止法、環境アセスメント等について

環境森林部環境保全課様

いくつか質問をさせていただきます。
この度の前橋バイオマス燃料及び発電に関してです。

【質問1】大気汚染防止法について
 年間8万トンを焼却するこの発電施設は、大気汚染防止法に該当していますか?

【質問2】環境アセスメントについて
 群馬県環境影響評価条例施行規則別表1の6の項によると、1時間当たりの湿り排出ガスの最大量が4万立方 メートル以上を第1種事業の規模要件として、環境影響評価を義務つけています。
 環境影響評価法の対象事業一覧 http://www.pref.gunma.jp/04/e0110016.html
には第一種事業は「必ず環境アセスメントを行う事業」と書かれています。
 【環境政策課5月20日の回答】環境影響評価は、規模要件に該当する対象事業を実施しようとする事業者が、法や条例に基づく手続を履行することで、自主的に環境保全上の適正な配慮を行う制度ので、規模要件の該当についても、事業者自らが要件や規模を確認し、手続の要否を判断します。
と環境政策課は、どんな規模の事業でも、環境アセスメントは全て事業者の判断でするものなので、県としては関与しないというのですが、県環境影響評価条例の主旨に反していると思うのですが。

【質問3】排ガス量のおまけ係数について
 環境政策課から頂いた内部資料?です。添付しました。この資料には、『未利用の木質バイオマスを燃料とする工場又は事業場については、排ガス量を計算するにあたっては、含水率(乾量基準含水率)を20%として算出できるものとする。』と明記されています。しかし、その設定にあたってどうも胡散臭い?状況が見受けられます。
 参考までに、これまでの、環境政策課とのやり取りを下記に掲載します。環境保全課としての見解をお聞かせください。
※添付資料 PDF ⇒ qnep.pdf

【環境政策課3月8日の回答】
 赤城山南面で計画されている木質バイオマス発電に関しましては、条例等の適用により排出ガスとみなされる量が4万立法メートル/時未満であることから、条例対象事業とはなりません。
【環境政策課4月1日の回答】
 事業者から、施設からの総排出ガス量は約4万2千ノルマル立方メートル/時であるが、群馬県環境影響評価条例の運用に基づき、含水率を控除すると、約3万9千ノルマル立方メートル/時との説明を受けており、規模要件未満であると考えております。
【環境政策課6月3日・5月2日の回答】
 排ガス量を計算するにあたっては、含水率を20%として算出できると、群馬県として全国の状況を踏まえ、平成26年度末をもって定め運用を開始。
【環境政策課6月3日回答】
 前橋バイオマス発電所の排出ガス量については、平成27年4月頃に関電工からの連絡で認識しました
【羽鳥の6月3日の再質問】
 群馬県が参考しにした全国の状況を全て教えてください。
【環境政策課6月22日回答】
 平成26年4月の「エネルギー基本計画」の閣議決定を受けて、木質バイオマスを含む再生可能エネルギー導入推進の観点から、県として検討を進めてきた
【回答が的確でないので6月22日に再質問】
 群馬県が参考にした全国の状況を全て教えてください。

羽鳥昌行
前橋市鼻毛石町1991-42
**********

■第2の大同スラグ事件を誘発しないように、当会は群馬県と東電グループの関電工との官業癒着のこの事業に対して、厳しく監視をしてまいります。

【市民オンブズマン群馬事務局からの報告】

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