日々

穏やかな日々を

日本型企業統治の深い闇

2011年11月17日 23時51分59秒 | 
オリンパス事件と日本型企業統治の闇
2011年11月17日02時02分

アゴラ(藤沢数希)

オリンパス事件に関しては、すでに多くの記事が書かれているので、ここでは簡単にその概要を述べる。オリンパスは、20年も前のバブル期に、他の多くの日本企業と同様に「財テク」に手を出し、結果的に数百億円から1千億円程度の損失を抱えた。この損失を隠すために、海外のファンドを利用した仕組債により損失を先送りして、一時的に財務諸表から財テクの失敗を隠した。当たり前だが、損失そのものは消すことができないので、このスキームでは会計ルールの穴をついて、損失をある決算期に隠し、その損失をその後何年もかけて少しずつわからないように計上していく。この損失先送りスキームは、オリンパスの一握りの経営陣の間で内密に脈々と受け継がれていた。
ところが今年の6月にオリンパスCEOに就任したイギリス人のマイケル・ウッドフォードは、FACTAの記事をきっかけに、ケイマン諸島のファンドに消えた数百億円の不可思議な手数料に気がつき、そのことを菊川剛会長らの経営陣に問いただした。その結果、CEOを解任されたのである。

この粉飾決算の違法性やその市場への影響などは脇に置いておいて、ここではなぜオリンパスの歴代の経営陣は、このような牢屋に入りかねないような刑法に触れるリスクを犯したのか、なぜイギリス人のマイケル・ウッドフォードは自らが解任されるリスクを犯して歴代の経営陣を追求したのか、その背景を考えてみたい。小幡績氏も指摘するように、財テクに失敗すること自体は間抜けだが違法性はない。最悪の場合、経営者である取締役は株主から首にされるだけだ。それなのにオリンパスの経営陣はなぜ刑事犯になるような極めて割りに合いそうもないリスクを犯しているのか。逆にいうと、筆者にとってマイケル・ウッドフォード氏の行動は極めて合理的に思える。筆者が同じ立場であったなら同じ行動を取っていたことだろう。

マイケル・ウッドフォード氏は大胆なリストラ案を提示し、国内外の株主に極めて受けがよかった。彼は株式会社とは株主のものであり、株主利益の極大化こそ経営者に求められる仕事である、という極めて教科書的な企業統治を考えていたように思える。ところが、日本ではこれは典型的な企業統治ではない。日本では会社は株主のものではなく、コア正社員のものだからである。

日本の大企業では、将来の幹部候補であるコア正社員は、終身雇用で守られ、また同時に退職金など最後まで勤めあげないと損失が大きい報酬制度により会社に縛り付けられる。そして重要なことは、コア正社員は、会社特殊的な技術や知識を身につけていき、それらは転職先ではほとんど役に立たないことだ。よって、退職前に会社の外に放り出されることは、コア正社員にとって極めて大きな損失となる。日本型企業統治では、経営者はコア正社員の中から選ばえるのが普通だ。そして株主には「物言わぬ株主」になってもらう必要がある。このような会社特殊的なスキルしか身につかず、会社が倒産することによる損失が極めて大きいコア正社員こそが、会社の存続を誰よりも真剣に考えており、それゆえに企業統治の主権者になるべきであるという学説もある。

しかし、マイケル・ウッドフォード氏にとっては、オリンパスのリストラを見事に成功させ、プロ経営者のマーケットで自らの市場価格を釣り上げることが合理的な目的となる。プロ経営者としてのキャリアを磨こうとしている彼にとって、自分の知らない粉飾決算に巻き込まれて「共犯者」になることなど、損得勘定からいって狂気の沙汰である。だからそのような危険から自らの身を守るため、粉飾に関わっていた経営陣を追求し、自らは積極的にマスコミや規制当局に情報をリークしたのである。

その点、日本型雇用慣行、日本型企業統治の中でオリンパスの取締役にまで上り詰めた経営陣にとっては、とにかく会社の外に出る損失が極大になる。その高い地位はオリンパスの中でだけでしか通用しないからだ。よって財テクの失敗を認めて株主から取締役を解任されたり、また営々と引き継がれてきた粉飾を蒸し返して、マイケル・ウッドフォード氏がされたような「村八分」にされるリスクは、驚くことに刑事犯になるリスクよりも怖いものだったのだ。筆者は、そのことを思うと日本型企業統治の深い闇を感じるのである。



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電車やバスのケータイ通話ってなぜいけないの?

2011年11月17日 23時37分33秒 | 
電車やバスのケータイ通話ってなぜいけないの?
2011/9/15 7:11
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メールは大丈夫な風潮だが
バスの中で携帯電話で話しているのを注意された人が逆ギレして、暴行容疑で逮捕されたというニュースがあった。もちろん暴力を振るうのは論外だけれど、一般論として、そもそも車内での通話はなぜいけないのかなと、ふと疑問に思った。

「車内ではマナーモードに設定し、通話はご遠慮ください」というおなじみのアナウンス。でも電車やバスの中で友達と話すのはOKなのに、携帯電話で話すのはなぜダメなの? そんな疑問の声は、教えて!gooにも何度も寄せられている。

「電車内での携帯電話の通話はなぜ禁止されるのですか?」

「電車内で携帯電話で通話するとなぜ迷惑?」

携帯通話が嫌われる理由としては、無意識のうちに声が大きくなってしまう人がいること、会話の相手がその場にいないので、はたから見ると不自然で耳障りに感じることを挙げる回答者が多いよう。

   「コンビ漫才で、どちらか片方のセリフがOFFになっているようなものだから、聞いていてイライラしてくる」(maimai_sanさん)


   「『車内ではお静かに』は暗黙のマナー。でも割と新しい携帯電話に関しては『通話はお控えください』という表記で『お静かに』ということを伝えているんだと思います。電話での声って、本人が思っているより大きくなりがちですしね」(xxmihanaxxさん)

とは言うものの、一律に通話禁止というのは裏を返せば、“あんたたちの好き勝手にさせておいたらマナーなんか守らないでしょ”と言われているようなもの。それって情けなくない?

   「こんなアナウンスがされなければならなくなった背景には、マナーがなっていないことが日本人の常識になってしまったせいではないかと思われます。今のこの自動アナウンスは、何もかも活力を失わせる何かがありますよね?人間100%信用されていない感が伝わってきます。早く今の自動アナウンス止めてくれ、といつも思っていますが、誰もそれができない今の世の中が悲しいです」(namiko1108さん)

そんな中で、少数かもしれないけれど乗客を信用してくれる会社もあるらしい。

   「徳島バスでは、“迷惑にならないようにご利用ください”(不正確かも)とアナウンスされておりすばらしいと思いました」(quena_jpさん)

そもそも携帯電話は緊急の用件でかかってくることもあるし、そのために持ち歩くのが本来の目的のはず。用件だけ手短かに話すとか、大きな声を出さないとかのマナーさえ守れば、杓子定規に絶対ダメという必要はないんじゃないかと私も思う。一律に禁止されないとマナーも守れないほど、日本人って他人への配慮ができない国民じゃないですよね?

鈴木聖子(Suzuki Seiko) 
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全国では年間約3万2千人に達している「無縁死」

2011年11月17日 00時14分33秒 | 
孤独死の原因、6割が心疾患、1割が脳卒中
 高齢社会白書(2013年版)では、現在、65歳以上の高齢者は人口の23.1%を占めている。独居率は女性19.0%、男性9.7%である。独居高齢者数は2009年の464万人から、2030年には717万人に達し、女性の増加傾向は鈍化するが、男性の増加傾向には変化なしと予測されている。また、独居高齢者の子どもの有無についての調査では、子どもがいない人は28%、子どもが近く(片道1時間以内)に住んでいる人は47.1%を占める。

 近年、社会問題になっている「孤独死」について詳細な報告は少なく、その実態は明らかではない。大阪府監察医事務所(2001年)の報告では、孤独死の原因疾患は心疾患が最も多く(61%)、脳卒中(9%)、感染症(6%)、消化管疾患(6%)の順であった。また、孤独死の中でも遺体の引き取り手がないものを「無縁死」と呼び、NHKの全国調査によると、全国では年間約3万2千人に達していることが報道された。

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開業医である一般診療所院長の10年度平均年収は2755万2419円

2011年11月17日 00時07分51秒 | 
◆医療法人立の診療所院長
・6月単月の比較では、月収は9.9%増(2009年210万8530円⇒2011年231万7811円)
・2事業年度の比較では、年収は0.5%増(前々年度2740万5510円⇒前年度2755万2419円)

◆医療法人立の一般病院勤務医
・6月単月比較では、月収は4.9%増(2009年128万7815円⇒2011年135万1368円)
・2事業年度の比較では、年収は1.0%減(前々年度1565万722円⇒前年度1550万799円)

 なお、医師のデータのみが報道されていますが、医療経済実態調査では、歯科医師、薬剤師、看護職員などの年収も調査しています。例えば、歯科医師は開業医が大半ですが、医療法人立歯科診療所の院長の年収は、3.1%減となっています(前々年度1401万132円⇒前年度1358万485円、医療経済実態調査のデータは、厚労省のホームページに掲載)。

【2事業年度のデータを報道した例】
◆医師の2010年度の給与・賞与を見ると、一般病院の勤務医は、医療法人で1550万円(前年度比1%減)、国立で1469万円(同1.2%増)、公立で1540万円(同0.9%増)。開業医は2755万円(同0.5%増)だった。勤務医と開業医の収入格差は依然として大きい。 (11月2日:朝日新聞夕刊)

◆開業医が多い診療所(医療法人経営)の院長の10年度の平均年収は2755万円と前年度より0.5%増えた。(中略)診療所の院長以外では、国立病院の院長の年収が1982万円で6.9%増、勤務医が1468万円で1.2%増。公立病院の院長は2100万円で0.1%増、勤務医は1540万円で0.9%増。一方民間病院は、院長が2865万円で0.1%減、勤務医は1550万円で1.0%減となった。 (11月2日:毎日新聞夕刊)

◆ 開業医である一般診療所院長の10年度平均年収は2755万2419円で、病院勤務医の1447万7620円の1.9倍だった。 (11月2日:読売新聞夕刊)

【6月単月のデータを報道した例】
◆診療所を経営する開業医の平均月収は6月時点で231万円となり、前回調査(2009年6月)より9.9%増えた。民間病院の勤務医の給与も135万円で同4.9%増えたが、収入格差は1.7倍に広がった。 (11月2日:日本経済新聞夕刊)
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