光るインフル、名は「カラフル」 生きたまま観察可能に
臨床 2015年3月26日(木)配信朝日新聞
インフルエンザウイルスを光らせることに、東京大学などの研究グループが成功した。体内で感染がどれくらい広がっているのかを感染した動物が生きたままで観察できる。肺炎などが起こる仕組みの解明や、ワクチンや治療薬の開発などに役立つと期待されている。25日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズで発表された。
東京大医科学研究所の河岡義裕教授らは、インフルエンザウイルスに特定の波長の光を当てると光る蛍光たんぱく質の遺伝子を組み入れた。通常この遺伝子を組み入れると症状を起こす病原性が落ちるが、病原性を落とさずに光るウイルスを作ることに成功した。
オワンクラゲ由来の緑や青緑、黄と、サンゴ由来の深紅の蛍光たんぱく質の遺伝子をそれぞれ入れ、4色のウイルスができた。英語の「カラフル(色とりどり)」と「インフルエンザ」から、「カラフル」と名付けた。このウイルスをマウスに感染させ、様子を観察した。
これまで治療薬やワクチンの効果をみるために体内のウイルス量を調べるには、感染させた動物を殺して臓器を取り出さないといけなかった。河岡さんは「生きたまま体内のウイルス量の変化を時間を追って観察できる」と話している。(大岩ゆり)
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