念願かなって姥湯に行ったのはもう何年か前の5月。
温泉に行く前に腹ごしらえ、峠駅前にある「峠の力もち」のお店でお餅を食べてる。
名物の力もちの他にお店で食べるお餅が美味しい(あんこ、納豆、ゴマ、ずんだ、おろし等)
ガードレールもない山道をずい分登って行く。
山のあちこちに残雪が見える。
広くない駐車場からつり橋を渡り、坂道を10分ほど歩いて旅館に到着。
「今日は混浴を工事しているので女性露天が混浴になりますがいいですか?」
エッー??!!!
一瞬ためらうが、やっとの思いでここまで来たんだ。
入る事にする。
「もし、入れなかったらおっしゃって下さい、料金はお返ししますから」
何と親切なことでしょう。
宿の前の坂道を通って右側に女性露天はあった。
幸い誰も入っていなかったのですばやく入る。
もちろん、出る時のためにバスタオルを岩場に置いた。
思ったより大きな露天である。
水色っぽい白いお湯でやや熱めであった。
右手は山の斜面になっていて左手は囲われているので眺望はない。
貸切状態は長く続かなかった。
男女7,8人になった。
その時、おじいさんが露天脇斜面の木を見て
「コシアブラだ!!」
コシアブラなる山菜を知ったのはその時である。
おじいさんは腰にタオルを巻きつけ、何と木に登るではないか。
「じいさん、パンツ履けよ!!丸見えだぞ」
と連れの男性が言う。
おじいさんはステテコを履いて木に登りいっぱいのコシアブラを取って満足そうだった。
そんな事があってみんな和気あいあいの入浴となった。
このお風呂を上がって、工事中の混浴風呂を見に行く。
女性露天の何倍もある大きなお風呂は、風呂底をコンクリートを塗っていた。
荒涼たるこの景色を見ての入浴はいいだろうなあ~
と思いをはせて眺めていた。
赤茶けた山肌むき出しの、その谷間の露天からは空がよく見える。
その少し上では湯の華を取るような木の装置があった。
星空を見て入りたいものだ。
いつか、ぜひ泊まってみたい温泉である。
でも女性露天での混浴ハプニングには、笑っちゃいました。
あんなところにコシアブラの木があったとは、気が付きませんでした。
有名な混浴の露天もダイナミックで素晴らしいですが、こじんまりとした木造りの内湯もまた風情がありました。
羨ましいです。
とにかく、あの露天風呂に入ってみたいです。