大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

自然なる”いのち”

2010-02-15 | 日記
「山羊の母さんお腹おおきいな」 去年の夏の終わりごろ夫に言われたが、
同じ女でありながら、メス山羊のレモンの妊娠に全く気付かない自分が恥ずかしい。
雪の降る前頃には、鈍感な妻にも認識できるほどレモンのお腹はせり出し、
毎月の満月を今日か今日か、と待てども待てども気配はまるで無く・・・
「いったい、山羊ってお腹の中に何ヶ月いるんだっけ~~~~?」
家族として道端の草刈の任務を一人前に果たす彼らの生態をまるで知らず。。。
ヒト族が知ろうが知るまいが、山羊族のリズムにしたがって歴代のメス山羊たちは
毎年、妊娠出産を自然の理に任せ委ね、あっぱれと全うしてきた。
ヒトは、周りをうろうろそわそわして『その時』を待つが、いつもある朝小屋に行くと
産まれている。時に、産まれた仔があまりにも小さく、じきに死んでしまっても、母山羊は平常心だ。
いつもと同じように草をモリモリ食べて、バケツの水をヂュルヂュルと吸い、自力で乳を飲みに来る仔だけに乳を与える。自力で乳に辿りつけない仔には無情なほどきっぱりとしている。
乳は生きてゆく仔の乳なのだ。
ヒト族はここまで覚悟する必要が無いほどに、文明の恩恵を与えられ、自然から離れても生きられるかの様な錯覚に、いつの間にか落ちた。  落ちたことにも気付かぬ程深く。
満月を九日も過ぎた2月8日の朝、水バケツを提げて小屋に行くと、小さな白い塊りが敷き草の上に横たわりそれよりひと回り大きな仔山羊が、レモン母さんのお腹の下にもぐってツンツンと乳を飲んでいる。
横たわった小さな塊りに手を置くと「ミャー」と大きく鳴いた。「お前生きてたの!」透きとおった細い体の体温が伝わってくる。冷たい手足を撫でて温める。何度も立とうとするが母の乳にたどり着く事はできず・・・・


 大きなかぶの家族が増えました!

産まれたて まだ毛が濡れています。

お母さんのオッパイを吸いに行く仔山羊
  

レモン母さんのオッパイは2つ 身体も小さくオッパイも小さい!