大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

17回目の春が・・・!

2010-04-04 | 日記
北へ向う白鳥が、朝早くから家の上空をやかましいくらいに騒ぎながら飛ぶ。
(飛びながらよく喋れるな、風が口の中に入らないのか?)と心配になるほどだ。
《とーちゃんおしっこー》《まて、いま降りる場所決めるから》《あなた!早く決めて!》
あーだこーだどーだ・・・旅の途中ことしも長沼の田んぼや運河で一休み。
着替えも、小銭入れも、パン一切れさえ持たず、身ひとつで家族と共に旅をする
白鳥よ、わたしはあなた方が心底うらやましくまぶしく泣きたいほど愛おしい。
きっと本来全ての生き物は、なにを蓄えずとも生きる仕組みを備えているはずだ。
しかし、じぶんの身の回りを見渡せば、いったいいつどこから集まってきたのか
モノ、物、者(約1)・・・白鳥の美学には遠くおよばず・・・ガックリ肩を落とす。
どれも、その出会った瞬間は惹かれ「どうしても一緒に暮したい」と思ったはずだが。。
時間がそれらを風景に変えひとつひとつに意識を向けることすら忘れていた。
並んでいる本の背表紙を目で追う、いつも当たり前に使っている台所の道具や、食器や、それらをゆっくり
眺めながら出合った時に思いをめぐらすと、ほとんどのモノに《誰かの顔》が浮かんだ。そうだったんだ・・・・
あのひと、このひと、その《縁》がひとつひとつのモノに代わって、ここにこうして在る、ということだったのか・・・・
その中で17年という歳月、一つ屋根の下同じ釜の飯を食う「者」1名との出会いは今でも信じられない。
ある組織にいて、たまたま向かい合って食事をした。「者」は自分の弁当箱のおかず(小海老のてんぷら)を
ぽいっとこちらの弁当箱の中に自分の箸で放り投げてきた。(バカ者!食べ物を投げるな!)と叱責するはずが
一瞬、餌をもらう犬が乗移り(ワン!)と小海老をくわえた。小海老で釣られたのだ。馬鹿なのは自分だった・・・・           が この縁でヒトとしていちじるしく成長した。人生何が起こるかわからない。。。
夕方、空高く南に飛ぶ鳥たち
ネコヤナギも春を告げる

イラクサの若芽も出た。天ぷらでも如何ですか