「信州大工学部建築学科の助教授・中谷岳史(なかやたかし)は7月、豪雨で4500世帯が床上浸水した秋田市内に駆けつけ」、「まず、浸水した住宅の壁をはがされた」そうです。「雨水を吸ったグラスウールの断熱材を」「取り出して絞るとジャーっと水分が流れ出た」そうです。
「断熱材をすべて取り除いた後は、養生シートを覆って乾燥させる。こうした処置を施すことで修繕費は安くなり、家も長持ちする」そうです。
こういった処置をしないで「放置するとカビを発生させ、柱や床板、土台と家をつなぐボルトをぬらす原因ともなる」そうです。
「全国で水害があいつぐ中、浸水した多くの住宅で修繕費が高額になり、片付けも長期にわたっている」そうで、「いかに効率よく、費用をかけずに補修するかというノウハウがほとんど伝えられていない」ことを中谷助教は問題とされています。
「それに気づいたのは2019年の台風19号による豪雨で、長野市内の自宅1階が浸水した時だった」そうで、「掃除と修繕に明け暮れるうち、壁の中でカビが繁殖し、家族全員が鼻炎になった」そうです。
「以来、被災地を10カ所回って、100軒以上の住宅再生に携わった」そうです。
「掃除の仕方や補助金の申請方法など細かく指南したケースもある。床下乾燥用の送風機30台を保有し、貸し出している。作業も無料」とのことです。「今は、活動に共鳴した産業機器メーカーの荏原製作所(東京)と共に、家の乾燥方法などを記した手順書を作成中」だそうです。〜手順書が早くできれば良いですね。
(下:2023年11月30日 朝日新聞〈てんでんこ〉欄ー何を伝えよう③—東野真和「浸水住宅再生の知恵 研究者の探究心から」より)