新型コロナパンデミック下でたくさん使われるようになったカタカナ語の中で、英語由来のものではない【アマビエ】が注目されています。疫病に負けないお守りとして、うちわ(熊本県山鹿市)や福島八幡宮の特別御朱印(八女市)、和菓子(福岡市如水庵)、博多人形ストラップ(福岡市早良区)等など創作され、その愛らしさに人気を博しているそうです。
そもそも【アマビエ】って?どのような時-歴史に出現したのでしょうか?
福岡大学人文学部(考古学)の桃崎祐輔教授が『アマビエ考』を西日本新聞に寄稿されています。紹介されているいろんな文献によりますと、【アマビエ】は肥後の海中から姿を現し、災害が来るとお告げを伝えた幻獣として始まってる様です。いろんな姿と呼れ方がありますが桃崎教授は「リュウグウノツカイのような奇怪な深海魚をモデルとした人魚系の幻獣と、海亀をモデルにした亀系の幻獣、中国の『山海経』に見えるような猿系の幻獣の知識などが混ざって【アマビエ】が成立したようだ」と整理されています。「疫病や疫病神(牛頭天王とか天満大自在天神)の仕業と考え、もっと強力な神(天刑星や鍾馗など)に退治してもらおうという発想は古代からある。人間の叡智が生み出した医学と新薬を駆使し、新型ウイルスを鎮圧しようとする現代の思想もこれに通じる。」と、言われてますが、〜この展開が〜すごい!お告げ等非科学的迷信と打ち消されるところが、現代の医学にも通じるとされています。〜どういうところが?
桃崎教授は「日本では古来まれびと信仰と呼ばれる、災いも幸福も海の彼方から来訪するという民俗信仰がある。終わりの見えない疫病の鎮静は皆の願いだ。しかし新型コロナウイルスのような人の活動を力の源とする手ごわい敵とは、一般市民がやみくもに戦っても勝てない。外出を自粛し、鎮静を祈り静かに慎むことを優しい姿で教えてくれたのかもしれない。」と【アマビエ】考を結ばれています。〜なるほど〜!
(下:㊤2020年5月25日西日本新聞寄稿欄【アマビエ】考福岡大学人文学ぶ教授桃崎祐輔(考古学)「人魚、亀、猿、、、予言する幻獣たち 姿変え 地域、時代を超え 終わり見えない疫病の鎮静を祈る」
下:㊤㊨2020年5月25日朝日新聞<青鉛筆>欄 ㊧2020年5月24日西日本新聞<超短波>欄 ㊦㊦㊤2020年5月8日西日本新聞-下村佳史「アマビエ博多人形 梶原さん制作 コロナ禍のお守りに」㊦㊦㊦2020年5月14日朝日新聞-吉本美奈子「疫病に負けぬよう」より)