ビッコの補正

2010-11-02 17:43:40 | タナカ君的日常
  20代の時にスキーで転んで大腿骨を複雑骨折してしまった僕は障害名欄に 「大腿骨骨折による右下肢短縮 6cm」と記載された身体障害者手帳を持つビッコ引きであったりするのです。 まあ、6cmも長さが違ってしまったのだから、ビッコを引くのはしょうがないと諦めてはいますが、 平坦地を歩く時は腰や股関節のあたりに結構負担を感じています。 そんな時の負担を減らす方法として、右足をなんでも良いから左足より高い位置に置けるように工夫しながら歩きます。 具体的には舗装道路では道路の水捌けのために道路の両端は中央部より低くなっていますから、道路の左端を歩くなんて事であったりしますし、山道であれば右足を飛び出した岩や石ころの上に乗せて左右の脚の長さの違いを少しでも吸収するのです。

 障害が固定し、身体障害者として認定してもらった時に「びっこを軽減する補装具」を作る場合には補助が出ますと聞いたことはあるのだけれど、 今迄そんな補装具を使用することもなく、つま先立ち姿勢でごまかしながら40年間過ごして来ました。

 それが、昨日東急ハンズに立ち寄って時間潰しに店内をくまなく見ていた中で、 写真に掲げた靴の中敷きに目がとまりました。 かかと部分の厚みが8mm以上はありそうです。 店員さんに断って見本品を使わせてもらいました。 店内を結構歩き回った後だったので、短い右足側の股関節周辺の筋肉は「少しでも良いから休憩してよ」と脳に信号を送ってきていました。 そんな状況で見本品を短い方の右足の靴の中に入れて、直立の姿勢で立ってみました。 すると、股関節周辺の凝っていた筋肉部分から、すっきり感を知らせる信号が脳に届けられた気分になりました。 「60mmに対して8mm程度の補正なんかで、そんなに効果が出るか?」 の気持ちはありましたが、物は試しと左右一対の製品を購入して、早速右の靴の中にだけ敷いて山の会の例会場に歩いて行きました。

 そして今日、 目覚めると朝日が窓ガラスに当たっています。 そこで、右足だけ中敷きを入れた運動靴を履いて高尾山に出かけました。 この運動靴は10日ほど前に針の木峠まで登った時にも使用した履きなれた靴です。 JR高尾駅から歩き始め琵琶滝の横を通る”6号登山路”を登って行ったのですが... 琵琶滝を横に見る辺りから踵の皮が擦れて来ている感覚がし始めました。 厚めの中敷きを入れたので踵を包む部分が足に当たってしまっている様です。 でも暫く様子を見てみようと思って歩き続けました。 沢沿いに直進する6号登山路を外れて稲荷山コースに出てベンチに腰を下ろして休憩している時には擦れている感じを通り越して、痛みを感じ始めました。 でも山頂まで頑張ってみるかと更に歩を進めたのですが、山頂への最後のキツイ階段状の登りを目の前にした所でギブアップしました。 本当に皮が破けちゃいそうです。 右足を階段に乗せて靴ひもを緩め、中敷きを取り出して履き直しました。 それで踵の擦れが無くなっていつも通り歩ける様になりました。 

 と言うことで、靴の中敷きを使用したビッコの補正は早くも失敗に終わりました。
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