行き過ぎた健康保険

2010-11-15 17:44:01 | タナカ君的日常
 土曜日に柿を囓っていて種を噛んだ瞬間に欠け割れた奥歯、舌で触ると随分とギザギザ感もあって、10日間ちかくもそのままにしておくのはヤバイ気持ちがするので 「月曜日になったらすぐにでも歯医者に行って診て貰らおう」と昨日までは思っていたのだが、2夜と何回か食事をして過ごしてみると「このままでも旅に支障はなさそうだ」、「下手に歯医者で削られて痛みが出るようなら、その方が困る!」と気持ちが変化して来ました。 だから、今日は旅から戻ったら、すぐに診て貰えるように電話で診療予約だけ入れて、歯医者には行きませんでした。

 散歩のために外に出ると、 裏手の公園には赤みを帯びた落ち葉が沢山散り敷いていました、 桜の葉です。 つい先日まではプラタナスの大きな葉が地面に触れるときに音を立てていたのですが、 今は盛大に、しかし静かに桜が葉を散らし、けやきが最後に残した葉を散らして秋は終盤を迎えるのです。


けやき混じりの 桜の落ち葉

 人間の最後もこんな風にハラリと散って終われたら素敵なのにと思うのだけれど、胃に穴を開けて、そこから栄養となる流動食を流し込める様にしたり、 喉に呼吸のための穴を開けたり、 腸に穴を開けて袋をぶら下げてみたり、腕の静脈に注射針を差したままにして点滴を続けてみたり。 「なんでもかんでも、生き続ける事が幸福」てな事は無いだろうと思うのだが、「なんでもかんでも、患者に治療行為を続けていれば金になる」健康保険の仕組みがあるし、 下手に治療を打ち切って患者が死んだりすると、裁判に訴えて金をせびるのが世の中の風潮になってしまっている。 子供の頃に読んだ雑誌や本には哀しい話しとして「お医者さんに診てもらって、薬を飲ませたいけれど、家が貧乏で金が無いから医者に診てもらえない」なんてのがありました。 そんな状態を抜け出すべく努力を積み重ねてきた結果が、今の日本の過剰とも思える投薬や施術をともなう金喰いモンスター医療環境を育ててしまった。

 地球上のあちこちの国に軍隊を使って押しかけて、近年は行く先々で嫌われ者になっているアメリカは阿呆じゃないかともおもえるけれど、オバマさんが主導する健康保険制度に反対する人々の居るアメリカには 「そう、反対した方が良いよ!」と声援を送ったするタナカ君であります。
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