・・・ワカタケル大王は五世紀半ばの天皇で、今の古代史では仁徳天皇から始まる仁徳王朝の実質上の最後の主な天皇と云われている。
雄略天皇は西暦478年に宋王朝に有名な上表文を出した最後の倭の五王の大王・武の事だと云われている。
その上表文には、倭が列島を征服し、朝鮮半島にも進出しているとの記載がある。
そして、古墳から出土した遺物の鉄剣に書かれていた銘文から読み取られた内容によると、大王・武の支配が関東から九州の熊本まで支配が及んでいたことが証明されている。
それらの歴史上の史実を踏まえ、記紀の記載なども下敷きに、この小説が書かれているので、古代史に興味を持つ私には史実を頭に整理するのにとても良い小説で、650ページにも及ぶ本をとても面白く読み切った。
因みに、作者の黒岩重吾は古代史に造詣が深いことで有名です。