・・・良く、新聞の読者欄に「同じ仕事をしながら非正規社員と正規社員がいるのは許せない」と云う意見が掲載されているのを見る。
これは差別されている側から見るともっともな意見ですが、過去に見てきた現実から考えると、よくある、なくすことのできない、世の中の不合理の一つだと思う。
人が携わる仕事を、働く人の能力の程度で分けると、大きくは三つに分かれるように思う。
一つは、直接、マニュアル化した労働に携わる仕事内容。
この仕事に携わる人はきわめて、正確にきめられたルールどうりに仕事をこなせる能力があるかを問われる。
特に、高い能力がとわれるわけでないので
一般に能力が高く、仕事を改善する能力のある人は向かない仕事である。
二つ目はルールに習熟し、部下を指導、監督する仕事内容。
この仕事に携わる人は通常の能力を有し、長年、この仕事につき、習熟した人で、人を指導できるかを問われる。
仕事に習熟しても、人を指導する能力のない人は最初の仕事を続けるべきである。
三つ目の仕事は職場や作業のルールをより良いものに改善する能力や、作り方や、製品をも改善することを要求される仕事。
この仕事に就くにはかなり高い知識と現状の問題点を見抜き、課題を解決する能力を要求される。
さて、この三つの仕事内容は難易度に応じた給料で、利益を出すべく企業努力する、特に最初の単純労働につては経験も能力も必要でないので、給料は安くないと企業は成り立っていけない。
従って、このような内容の作業には、非正規社員を充てることが多い。
最初の新聞の記事欄の「非正規社員と正規社員が同じ仕事で混在する」場合は、正規社員の内訳は、まだ習熟できてない社員や、長く勤めていても習熟できない人や、人を指導できない人などが当てはまる。
問題は長く勤めながら、一つ上の仕事にランクアップできない正社員の場合で、今の日本では、解雇できなく、企業がそのまま抱え込まなくてはならないのが現状で、会社としても大きな矛盾を抱えているのが現状である。