・・・新聞の読者欄で表記の主題で、獣医師の公務員の方が、高校で学ぶ数学の知識は大学や社会に出て使う人はほとんどいないので、教養の範囲を超えているのではと云う意見を述べておられた。
それを読んで私は、賛成とも、反対ともつかない気持ちでした。その理由は、社会人になって役に立った経験がある、多分、数少ない人間の一人なのです。
高校の時は大学入試で勉強する学科の中で、数学だけでなく、どの学問も、現実社会と関連性など、見いだせないことが多く、入試問題を解くために、格闘していました。
しかし、私の場合は会社にはいって、学校で習った「微積分」がこんなところに使うんだと納得したことが、長い会社生活で二回あった。
一回はコンピューターが未だ、使われ始めた1960年代の終わり、コンピュータを使いこなすには、今と違って、全て、コンピュータ言語を使って、自分でプログラムを作成しなくてはならなかった。
工場で、製品見積もりに製品の重量見積もりをするのに、製品外形曲線の図面から、寸法曲線を拾ってコンピューターで計算するには、外形を数式に置き換え、積分すると言う方法を使ってプログラムに書くという時に、微積分と云う考えが無かったら、プログラムは書けなかったと思う。 その当時のコンピューター言語には微積分の式はなかったためです。掛け算と足し算と割り算程度で体積計算するには微積分の知識が必要でした。
もう一つ実社会で微積分が役立った経験は、設備のシミュレーョンをする電子回路を自分で半田付けして作って、オシログラフで、チェックする時、積分の電子回路のチェックなら、三角関数の波形を使うと公式通りにsinはcosinに、オシログラフの画面に変化して、現れるのを見た時に、学校で習った微積分はこういうところで役に立つんだと納得した。