・・・病院での受診を終わって、駐車場に行く階段で、前を歩いていた、高齢者の男性が、フラーっとして、階段に座り込んだ。
後ろを歩いていた私が、背中に反射的に手をまわして支えたので、座り込んだだけで済んだ。
前を歩いていた、付添いの息子らしい人が、すぐそばに戻って来て、「シッカリと手すりを持たないとー、」と注意を与えていた。
何でもない、ありふれた光景だが、私も前期高齢者になっているので、息子に注意され、黙って聞いていた高齢者側の立場に、私が居るのにきずいた。
老人がフラーっとなるのは、思いがけなく突然にやってくるので、そのことを考えて歩くほど、何時ものことではない。
原因は年齢経過による筋肉の衰えと、反射神経の衰えらしい。
若い息子は、年よりなんだから、フラーっとなる事を予測して、注意して、手すりを持って歩けと云いたいのだろうが、老人であっても、そこまで、自分が完全にダメになっているとは、思っていないのである。
フラーっとなる現象だけでなく、年齢が原因の、よく物忘れをする、二つ同時に出来なくなるとか、年寄り特有のたくさんの不具合が出てくるが、それぞれ若い時の元気な自分が頭の中にあるので、年をとって不自由がたくさんあることに、自分の意識では慣れたくないのである。
今回の場合、出来れば、息子さんはフラーっとして座り込んでから、注意するのでなく、年よりは思いがけなくフラッーとするので、先を歩かないで高齢者の親父さんに寄り添って歩いて、突然のフラーッとして時に、補助してほしいものである。